“那方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あなた22.2%
いづれ22.2%
どちら22.2%
あつち22.2%
むかふ11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やゝありて『誰かある』と呼ぶ聲す、那方あなたなる廊下の妻戸つまどけて徐ろに出で來りたる立烏帽子に布衣着たる侍は齋藤瀧口なり。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
此の世界は衆生の業力ごふりきで成立つて居るといふ楞嚴れうごん其他の説や、創世記、默示録の言や、其等の説の那方いづれの説を信ずるといふでも無いが、此の世界が人類の生活に適するやうに
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
社會は個人を視ること全社會の如くにし、個人は社會を視ること自己の如くするに至らずば、病根は那方どちらかに存して、輪番芽をなして永久に絶滅すまい。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『コラツ。』と父も声を励して、信吾の肩をつかんだ。『何莫迦をするのだ! 静は那方あつちへ行け!』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
エヒミチはまどところつてそとながむれば、はもうとツぷりとてゝ、那方むかふ野廣のびろはたくらかつたが、ひだりはう地平線上ちへいせんじやうより、いましもつめたい金色こんじきつきのぼところ病院びやうゐんへいから百歩計ぽばかりのところ
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)