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那方
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あなた
ふりがな文庫
“
那方
(
あなた
)” の例文
やゝありて『誰かある』と呼ぶ聲す、
那方
(
あなた
)
なる廊下の
妻戸
(
つまど
)
を
開
(
あ
)
けて徐ろに出で來りたる立烏帽子に布衣着たる侍は齋藤瀧口なり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
那方
(
あなた
)
に此方なる
賤機山
(
しづはたやま
)
を心指て行手は名に負駿河の府中
午刻
(
まひる
)
も過て
巴河
(
ともえがは
)
音
(
おと
)
にぞ知るゝ
濱續
(
はまつゞ
)
き清水
久能
(
くのう
)
は右の方は左にとりて富士見山
茂
(
しげ
)
る夏野の
草薙
(
くさなぎ
)
の宮を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
御溝の
那方
(
あなた
)
に長く曳ける我影に
駭
(
おどろ
)
きて、傾く月を見返る男、
眉太
(
まゆふと
)
く
鼻隆
(
はなたか
)
く、一見
凜々
(
りゝ
)
しき勇士の相貌、月に笑めるか、花に
咲
(
わら
)
ふか、あはれ
瞼
(
まぶた
)
の
邊
(
あたり
)
に一掬の微笑を帶びぬ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
洗ふ
波音
(
なみおと
)
高
(
たか
)
く左りは
草木
(
くさき
)
生茂
(
おひしげ
)
りし鈴ヶ森の御仕置場にして
物凄
(
ものすご
)
き事云ふばかりなし然れども
孝行
(
かうかう
)
の一心より
何卒
(
なにとぞ
)
父
(
ちゝ
)
の骨を
探
(
さが
)
し求め
故郷
(
こきやう
)
へ持歸りて母に見せんと
御所刑場
(
おしおきば
)
の中へ
分入
(
わけいり
)
那方
(
あなた
)
此方
(
こなた
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
都大路
(
みやこおほぢ
)
に世の榮華を
嘗
(
な
)
め
盡
(
つく
)
すも、
賤
(
しづ
)
が
伏屋
(
ふせや
)
に
畦
(
あぜ
)
の
落穗
(
おちぼ
)
を
拾
(
ひろ
)
ふも、暮らすは同じ五十年の夢の朝夕。
妻子珍寶及王位
(
さいしちんぱうおよびわうゐ
)
、
命終
(
いのちをは
)
る時に隨ふものはなく、
野邊
(
のべ
)
より
那方
(
あなた
)
の友とては、
結脈
(
けちみやく
)
一つに
珠數
(
じゆず
)
一聯のみ。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
▼ もっと見る
金谷村より歸りし
草臥足
(
くたびれあし
)
なれ共其
孝心
(
かうしん
)
に
愛
(
めで
)
無量庵大源和尚の庵へ參りし頃は
夕
(
ゆふ
)
申刻過
(
なゝつどきすぎ
)
にして暫時物語いたせし間歸宅は其夜
亥刻頃
(
よつどきごろ
)
と申に大岡殿又無量庵に向はれ九助が參りし
刻限
(
こくげん
)
歸宅
(
きたく
)
の刻限とも
尋問
(
たづね
)
らるに九助同樣の答へなり時に九助は無量庵に向ひ其節
那方
(
あなた
)
の仰せには
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
那
常用漢字
中学
部首:⾢
7画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“那”で始まる語句
那
那麽
那辺
那珂
那処
那智
那須野
那様
那覇
那須