“那様”のいろいろな読み方と例文
旧字:那樣
読み方割合
そんな45.5%
そん18.2%
こんな9.1%
ああ9.1%
あん9.1%
あんな9.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
法華信者が偏頗へんぱ心で法華に執着する熱心、碁客が碁に対する凝り方、那様そんなのと同様で、自分の存在は九分九厘は遊んでいるのさ。
私は懐疑派だ (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
那様そんことつてうする、貴様きさまうばつてつたおれ女房にようばうの、町処ちやうところまでつてるではいか。」
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
此方こちら暢気のんきなものだから那様こんなこととはちつとも知らない、山田やまだまた気振けぶりにも見せなかつた、けれどもさきにも言ふごとく、中坂なかさかに社をまうけてからは、山田やまだまつた社務しやむあづからん姿であつたから
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「東京駅で人を見送ると何時も汽車が反対あべこべの方角へ出て行くような気がするが、矢っ張りこれでも宜いんだね。彼処あすこでは何うして那様ああなるんだろう?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
犬も国にれるもんで、伊太利のやうな美術国だから那様あんな細つこい繊麗きやしやな翫弄犬を生じたのだらう。
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
段々だら/\りの谿底たにそこに、蹲踞しやがむだやうな寺の建物が見え、其の屋根を見渡しに、ずつと向うの山根やまねちつぽけな田舎家がこぼれたやうにちらばつてゐて、那様あんな土地ところにも人が住むでゐるのかと思はしめる。
茸の香 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)