“物凄”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ものすご89.4%
ものすさま4.5%
ものすさ3.5%
ものすさまじ1.0%
ものすげ0.5%
すさま0.5%
ものさびし0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
正面より見ればまれての馬の子ほどに見ゆ。うしろから見れば存外ぞんがい小さしといえり。御犬のうなる声ほど物凄ものすごく恐ろしきものはなし。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
まだ、朝早あさまだき、天守てんしゆうへからをかけてかたちくもむらがつて、処々ところ/″\物凄ものすさまじくうづまいて、あられほとばしつてさうなのは、かぜうごかすのではない。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
赤い振袖を着た稀代きたいの美男が、復讐の快感にひたって、キラキラと眼を輝かす様は、言いようもなく物凄ものすさまじい観物みものです。
時に蝕しつつある太陽を、いやが上におおい果さんずる修羅の叫喚さけび物凄ものすさまじく響くがごとく、油蝉の声の山の根に染み入る中に、英臣は荒らかな声して
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「脱走船員」の私を助手に十余人の「生ける幽霊」を引具ひきぐし、今から朝まで順々にその物凄ものすげえところを廻ってあるこうというのだ。
武士の子というほこりはあったにしても、幾日も幾月もの間、小さい余吾之介は、その物凄すさまじい幻に悩まされて、内証でふるえていたことを思い出したのです。
十字架観音 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
立石夫婦も知りをりふれては笑ひなどしけるを直助は面目なくかつ遺恨ゐこんに思ひ居たるに或夜立石夫婦は酒にゑひて前後も知らず寢入ねいりしを見濟みすまし其の夜丑滿うしみつ物凄ものさびしき折こそ能けれと直助は寢息ねいき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)