“ものすご”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
物凄96.7%
悽愴1.1%
凄愴1.1%
凄惨0.5%
凄然0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さあ、こうなると、がッがあッと、昼夜に三度ずつ、峠の上まで湯気が渦まいて上ります、総湯の沸きます音が物凄ものすごうなりましたわ。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
被衣を洩れた女の顔は譬えようもないほどに悽愴ものすごいものであった。彼女の眼は怪しくさか吊って火のように燃えていた。彼女の口はけもののように尖っていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼女かれが若かりし春の面影は、おそらく花のようにも美しかったであろうと想像されるが、冬の老樹おいきの枯れ朽ちたる今の姿は、ただ凄愴ものすごいものに見られた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しかしかれらを恐れさせたのは、その旅人の背負っている重い罪の影か、あるいは殺された女の凄惨ものすごい姿か、確かには判断がつかない。
木曽の旅人 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つぐ遠寺ゑんじかねガウ/\とひゞき渡りいと凄然ものすごく思はるればさしも強氣がうきの者共も小氣味こきみ惡々わる/\足にまかせて歩行あゆむうちあをき火の光り見えければあれこそ燒場やきば火影ひかげならんと掃部は先に立て行程にはや隱亡小屋をんばうごや近接ちかづく折柄をりから道の此方こなたなる小笹をざさかぶりし石塔せきたふかげより一刀ひらりと引拔稻妻いなづまの如く掃部が向うずね
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)