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悽愴
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ものすご
ふりがな文庫
“
悽愴
(
ものすご
)” の例文
自然の生まれ付きか、あるいは多年もてあそんでいる蛇の感化か、いずれにしてもお絹が蛇のような
悽愴
(
ものすご
)
い眼をもっていることは争われなかった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
被衣を洩れた女の顔は譬えようもないほどに
悽愴
(
ものすご
)
いものであった。彼女の眼は怪しくさか吊って火のように燃えていた。彼女の口は
獣
(
けもの
)
のように尖っていた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「いくら飲んだっていいよ。あたしが飲むんじゃないから」と、眼付きのいよいよ
悽愴
(
ものすご
)
くなって来たお絹は、左の手には杯を持ちながら、右の手で袂をいじっていた。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
きのうの稲妻に照らされた
悽愴
(
ものすご
)
い顔とは違って、今夜の月を浴びた彼女の清らかな
神々
(
こうごう
)
しいおもてには、月の精が宿っているかとも思われた。千枝太郎に師匠を疑う心がまた起こった。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
わらわの申すことを用いねば命はないぞ、その
期
(
ご
)
に及んで後悔おしやるなと、言うかと思うと、その檜扇の蔭から怖ろしい……人か幽霊か鬼か
獣
(
けもの
)
か判らぬような、世に
悽愴
(
ものすご
)
い
変化
(
へんげ
)
のおもてが……。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“悽愴”の意味
《名詞》
悽愴(せいそう)
非常に痛ましいこと。
(出典:Wiktionary)
悽
漢検1級
部首:⼼
11画
愴
漢検1級
部首:⼼
13画
“悽”で始まる語句
悽惨
悽
悽然
悽惻
悽々
悽惆
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