“悽惻”の読み方と例文
読み方割合
せいそく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
親として子を殺し、子として親を殺す、大逆不道此の上もあらず、しかるに斯般しはんの悪逆の往々にして世間に行はるゝを見ては、誰か悽惻せいそくとして人間の運命のはかなきを思はざらむ。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
ひそかに部屋の戸を開きて外にいづれば悽惻せいそくとして情人未だ去らず、泣いて遠国につれよとくどく時に、清十郎は親方のなさけにしがらまれて得いらへず、然るを女の狂愛の甚しきにかされて
「歌念仏」を読みて (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
我国平民の歴史は、始めより終りまで極めて悽惻せいそく暗澹あんたんたる現象を録せり。
徳川氏時代の平民的理想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)