“せいそう”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:セイソウ
語句割合
凄愴36.2%
悽愴26.2%
星霜13.8%
盛装5.4%
清掃3.1%
清爽3.1%
清僧1.5%
凄壮1.5%
盛粧1.5%
聖僧1.5%
精爽0.8%
凄蒼0.8%
成宗0.8%
政増0.8%
清操0.8%
青壮0.8%
青草0.8%
青蒼0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
やがてカーテンの蔭からヌッと現れてきたのは、まるで西洋の悪魔が無人島に流されたような実に凄愴せいそうな顔をした辻川博士だった。
地球盗難 (新字新仮名) / 海野十三(著)
一瞬、その悽愴せいそうさに打たれたが、いずれも入城の先頭をいそいで、十八ヵ国の兵は急潮のごとく馳け、前後して洛中へ溢れ入った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これだけの苦しみを受けてもまだ白状しない。私がラサ府に着いて居る時分にはそんな責苦を受けながら既に二年の星霜せいそうを経たという。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
通りで盛装せいそうした座敷姿ざしきすがたにでっくわすことなどあると、「失礼よ、林さん」などとあざやかに笑って挨拶して通って行く。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
あらゆる神社の境内けいだいは枯葉一枚ものこさず清掃せいそうされていた。それが国民生活だと大吉たちは信じた。しかし、山へどんぐりを拾いにゆき、にがいパンを食べたことだけは、いやだった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
蜻蛉が蒼空のもとにつういつういと飛んで行くあの運動の自由さが『蜻蛉』の踊りのあの快活な清爽せいそうさを産み出したのではなかろうか。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
「さて、御僧には、清僧せいそうか、妻帯さいたいか」
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
霜枯れの庭に凄壮せいそうの気をみなぎらして。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
すると嬋娟あでやか盛粧せいそうしたお延が澄ましてそこに坐っていた。津田ははっと思った。寝起ねおきの顔へ水をかけられたような夫の様子に満足したらしい彼女は微笑をらした。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
しかり、ぎんかなへさゝげたときその聖僧せいそうごとく、こゝろすゞしかつた。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかりといえども、集散遅速は火の初めて滅して、煙気なおうつせるがごとし。ゆえに、鬼神の感格あり、厲霊れいりょうの来出あり、精爽せいそうの依託あり、魂魄の流行あり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
くせん。人の生、はじめて化するをはくという。すでに魂を生ず。陽をこんという。物を用いてせい多ければ、すなわち魂魄こんぱく強し。ここをもって、精爽せいそうにして神明に至るあり。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
凄蒼せいそうたる色を帯びながらも生命は盛んに燃焼していた。炭火のように赤かった。
愛と認識との出発 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
これはげん成宗せいそう大徳だいとく十一年梅渓ばいけい書院の刊本を以て底本としたものである。いで手にったのが『千金要方』の宋版である。これは毎巻金沢文庫かなざわぶんこの印があって、北条顕時ほうじょうあきときの旧蔵本である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
渋江氏の祖先は下野しもつけ大田原おおたわら家の臣であった。抽斎六世の祖を小左衛門こざえもん辰勝しんしょうという。大田原政継せいけい政増せいそうの二代に仕えて、正徳しょうとく元年七月二日に歿した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
単身たんしんさってその跡をかくすこともあらんには、世間の人も始めてその誠のるところを知りてその清操せいそうふくし、旧政府放解ほうかい始末しまつも真に氏の功名にすると同時に
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
そろいもそろって筋骨たくましい青壮せいそうの侍のみ。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
家具着類は不自由ながらも僅に用を便ずるのみ。臥して青草せいそうを握り、且つ星を眺むるなり。
関牧塲創業記事 (新字新仮名) / 関寛(著)
今やすでにトスカナの原野に達し、青蒼せいそうの林、和鳴のとり、柳暗花明の村落に達したるがごとし。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)