“すご”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:スゴ
語句割合
82.4%
14.0%
0.6%
0.6%
0.4%
巣子0.4%
素扱0.4%
0.2%
悽愴0.2%
糊口0.2%
0.2%
過越0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ですが地上にどんな墳墓があろうとも、私たちは琉球の玉陵においてより、鬼気迫るものすごいばかりの墳墓を見たことがありませぬ。
民芸四十年 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
幾月いくつきかをすごうちに、てき監視みはりもだんだんうすらぎましたので、わたくし三崎みさきみなとからとおくもない、諸磯もろいそもう漁村ぎょそんほうてまいりましたが
ぬばたまの夜の黒髪にすヒラヒラする銀紙の花簪はなかんざし、赤いもの沢山の盛装した新調の立派な衣裳……眉鼻口まゆはなくちは人並だが、狐そっくりの釣上つりあがった細い眼付めつきは、花嫁の顔が真白いだけに一層いっそうすごく見える。
菜の花物語 (新字新仮名) / 児玉花外(著)
が、貧乏はしてゐても、華族の家に生れた兄は、独立して口をすごして行く手段を知つてゐる訳はなかつた。が、一時の激昂のために、カツと飛び出したものゝ屹度きつと帰つて来て下さるにちがひない。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
其処そこは以前から詩人や画家がよくあつまる所で、いはゆる「自由な女」などはほとんど来ない。ひんい変り者ばかりが集つてさかづきを前に据ゑながら原稿を書いたり、坐談をしたりすご六や骨牌かるたを静かにもてあそんだりする。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
『然うして御座ごぜえ。唯、巣子すごの掛茶屋さ行つたら、盛切酒もりきりざけ一杯いつぺえ買ふだアぜ。』
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ですからよりを掛たり戻したりする内に鱗と鱗が突張り合てズリぬけるのです(荻)成る程そうかな(大)未だ一ツ其鱗の早く分る事は髪の毛を摘んで、スーッと素扱すごいて御覧なさい
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
当然あたりまえサ、二十三にも成ッて母親さん一人さえ楽にすごす事が出来ないんだものヲ。フフン面目が無くッてサ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それから思うと内の文三なんざア盆暗ぼんくらの意久地なしだッちゃアない、二十三にも成ッて親をすごすどこか自分の居所いど立所たちどにさえ迷惑まごついてるんだ。なんぼ何だッて愛想あいそが尽きらア
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
といったような懐旧談で、しきりに悽愴すごがってシンミリしている鼻の先へ、庭先の月見草の中から、白い朝鮮服を着て、長い煙管きせるを持った奴がノッソリと現われて来たもんだ。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
二斗の麦で女房子まで糊口すごすということはほとんど出来ない事で、つまり商売と内職の方で儲けた銭で生活を立てて居るのです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
すごいわ、ねえ」と云って気がいたように、「おや、貴下あなたは」
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
先生はこういう時、つくづくこれが先祖代々日本人の送り過越すごして来た日本の家の冬の心持だと感ずるのである。宝井其角たからいきかくの家にもこれと同じような冬の日が幾度いくたびとなく来たのであろう。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お帰りもさることながら、雪の夜は更けても明るうございますし、このお寒さ、せめてお駕籠のうちも暖かにお戻り遊ばすよう、どうぞ、も少しの間、こちらでおすごしくださいませ
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)