すご)” の例文
それじゃアうしておやりな、私達が萩原様のおかげうやらこうやら口をすごして居るのだから、明日あしたの晩幽霊が来たらば、おまえが一生懸命になって斯うおいいな
が、貧乏はしてゐても、華族の家に生れた兄は、独立して口をすごして行く手段を知つてゐる訳はなかつた。が、一時の激昂のために、カツと飛び出したものゝ屹度きつと帰つて来て下さるにちがひない。
真珠夫人 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
藤原が右京の屋敷を出たのもの女の為に多くの金をつかい果し今は困窮してあしたに出てゆうべに帰る稼ぎも、女房にょうぼや母をすごしたいからだ、其の夫の稼いだ金銭をくすねて置けばこそ
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)