“糊細工”の読み方と例文
読み方割合
のりざいく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これをむずかしく言いますと、定義を下せばその定義のために定義を下されたものがピタリと糊細工のりざいくのように硬張こわばってしまう。
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これを見た目で「素浪人忠弥すろうにんちゅうや」というのをのぞいて見た。それはただ雑然たる小刀細工や糊細工のりざいくの行列としか見えなかった。ダイアモンドを見たあとでガラスの破片を見るような気がした。
映画時代 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
枕頭を探りて反古堆中ほごたいちゅうより『菜花集さいかしゅう』を探りいだして「糊細工のりざいく」を読み初めぬ。面白し面白し。覚えず一声を出してホホと笑いたる所さえあり。この笑いほど僕を慰めたる笑いはなかりしなり。
子規居士と余 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)