“くら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:クラ
語句割合
13.6%
13.5%
9.7%
7.9%
6.9%
6.7%
5.7%
4.4%
4.1%
3.4%
(他:445)24.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「オホホホホ」と未亡人は一層高い調子で止め度なく高笑いをした。私はクラクラと眼がくらみそうになって枕の上に突伏した。
あやかしの鼓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
馬鹿とあなどって不意討ちを食った長助は、まったく眼がくらんで暫くぼんやりしているうちに、辰公は逃げて行ってしまった。
てんくらい、くらい、うみおもて激浪げきらう逆卷さかまき、水煙すいゑんをどつて
「これは何から写したのか。お前は灯はともさないと言い張るそうだが、くらがりで画がかけるのか。」とお聞きになりました。
黄金鳥 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
そうして好い頃を見計らって再び大三郎を引っ張り出して、例の神隠しといつわって内外の眼をくらまそうという魂胆であった。
半七捕物帳:11 朝顔屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
そして、今の平馬の言葉で聴けば、行方をくらましたという当の娘は、極めて身分の高い人に、かしずいている女性だという――
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
平仮名と片仮名とをくらべて、市在しざい民間の日用にいずれか普通なりやとたずぬれば、平仮名なりと答えざるをえず。
小学教育の事 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
「アコン。旦那に言って家鴨ば飼ってもらいなさらんか。家鴨の卵は鶏のとはくらべものにならんほど、大きかですど――」
南方郵信 (新字新仮名) / 中村地平(著)
余は是等の事實は、モールス氏の説の如く、貝塚をのこせし人民が時としては人肉をくらひし事有りしを証するものと考ふ。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
くらうべき詩」とは電車の車内広告でよく見た「食うべきビール」という言葉から思いついて、かりに名づけたまでである。
弓町より (新字新仮名) / 石川啄木(著)
「そうです。一里半少し遠いか。」と、くらふとった方が言った。体格から、言葉から兵役に行って来た男らしく見える。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
また洞の外には累々たる白骨の、うずたかく積みてあるは、年頃金眸が取りくらひたる、鳥獣とりけものの骨なるべし。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
将軍に従った軍参謀の一人、――穂積ほづみ中佐ちゅうさくらの上に、春寒しゅんかん曠野こうやを眺めて行った。
将軍 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
幾万すじともなき、青い炎、黒い蛇が、旧暦五月、白い日の、川波にさかさまに映って、くらも人ももうとする。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昨夕ゆふべ飲んだ麦酒ビールこれくらべるとおろかなものだと、代助はあたまたゝきながら考へた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今の我身の有樣に引きくらべて、思はず深々ふかぶか太息といきつきしが、何思ひけん、一聲高く胸を叩いて躍りあが
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
乙は末広ながら甲に比して狭く、その線条あらき上ひびわれ多く刺はなし、その肉煙草の味あり、喫烟家このくらう。
「きゃっきゃっ、」とまた笑うて、横歩行よこあるきにすらすらすら、で、居合わす、古女房のせなをドンとくらわす。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いゝつもりだなあ。僕も、あんな風に一日いちんちほんを読んだり、音楽を聞きに行つたりしてくらして居たいな」
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
要吉の家では、その桃を、問屋とんやや、かんづめ工場こうじょうなどに売ったお金で一年中のくらしをたてていたのです。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
かれあしばしたまゝ上體じやうたいもたげて一くらゆかうへた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かくて売られた女が淫売を強いられ、くらい社会にうようよ生きているさまは四馬路や師孝徳路あたりで見らるる通りである。
ベンチの明いているのが一つあるので、それに腰を掛けて、ラシイヌをひるがえして見たが、もうだいぶくらくて読めない。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
「女の四十二三と申しますと、よく頭痛や眩暈に惱まされる年頃で、お内儀さんもよく立ちくらみがすると申して居りました」
さうしてけば、いくらでも、くらからしてて、きやくまへならべたものである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
主人はさっそく引き受けて、ぱちぱちと手を鳴らして、召使を呼んだが、くらの中にしまってあるのを取り出して来るように命じた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
橋をわたって、裏のくらの方へゆく、主人の筒袖つつそでを着た物腰のほっそりした姿が、硝子戸ごしにちらと見られた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そのくらをさがすと、宝物珍品が山のように積まれていて、およそ人世の珍とする物は備わらざるなしという有様であった。
「経づくえ」は小説としては「にごり江」や「たけくらべ」にくらべようもない、その他の諸作よりも決してすぐれてはいない。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「婆よ、あの神馬しんめ小屋にいる馬は、よい馬ぞよ。加茂のくらうまに出したら、あれこそ第一でがなあろうに」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海蔵かいぞうさ、どうしたじゃ。一せんもつかわんで、ごっそりためておいて、おおきなくらでもたてるつもりかや。」
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
そのあいだに、たにしの子はひとりではきはき、下男げなんたちにさしずをして、お米を馬からおろして、くらみこませました。
たにしの出世 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
もとのかの酒屋の土蔵くらの隣なりし観世物みせもの小屋は、あともとどめずなりて、東警察とか云うもの出来たり。
照葉狂言 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ふうむ。してみると誰かこの女にイタズラをした村の青年わかてが、その土蔵くらの戸前を開けてやったものかな」
笑う唖女 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
その横文字の看板の、そのまた屋根の、町並の上の近くは濃く青く、はるばると末はくらんだ韃靼だったん海である。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
(『秘蔵宝鑰ひぞうほうやく』に曰く、「生まれ生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く、死に死に死に死んで死の終わりにくらし」と)
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ベアトリーチェ。さらにつよく心をきてしば/\記憶を奪ふもの、彼のさとりの目をくらませしなるべし 一二四―一二六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ゆえに著者にとってはいやしくも正理をくらます一切は――自分であっても他人であっても――ことごとく致命的にやっつけねば気がすまないのだ。
詩の原理 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
庭へまわって来て、角三郎の部屋の縁に腰をやすめ、夫婦ふたりになって生活くらす日の陽ざしをうっとりと思ってみる。
御鷹 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
何故だろう? 狭い紙帳を天地とし、外界そとと絶ち、他を排し、自分一人だけで生活くらすようになったからである。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「そんだからろえ、博勞ばくらうくらてたやつりやしねえ、ばちたかつてつから」
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
くら親方おやかた勘次かんじがどういふ料簡れうけんであるといふことは卯平うへいへはいはなかつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
一番向むかうにある大きいマロニエはその背景になつて居る窓のすくな倉庫くらの様な七階の家よりもすぐれて高い。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
それから小舎こやのすぐ横の岩の横腹を、ボートの古釘で四角に掘って、小さな倉庫くらみたようなものを作りました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
成る程其処そこには、三尺四方くらいの機械油のたまりが、一度水に浸されたらしくなかばぼやけて残っている。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
志村しむらがあのくらけるなら自分じぶん幾干いくら出來できるだらうとおもつたのである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
丁度墨染すみぞめの麻の衣の禅匠が役者のようなの衣の坊さんを大喝だいかつして三十棒をくらわすようなものである。
信長は荒木村重むらしげとの初対面に、刀で餅を刺して、壮士ならこれをくらへ、と云つて突き出したが、後年そむかれてゐる。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
「ちびと二人で、あのきちがいをつかまえて来い。そうでないとつちくらわしてくれるぞ。」
汪士秀 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
却説さて兎と熟兎は物の食べようを異にす、たとえば蕪菁かぶくらうるに兎や鼠は皮をいで地に残し身のみ食うる、熟兎は皮も身も食べてしまう。
家具や調度の物のあんばい、お家様の部屋らしいが、籠行燈かごあんどんは墨のような色をしてお久良くらも誰もいなかった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あるじの善七が考えていると、そのまに、四国屋のお久良くらと手代の新吉は、案内もなしに奥の廊下へバタバタと走りこんでしまった。
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内蔵くらさん。……どうしたのさ。内蔵さんてば。……弱いくせに、飲めもしないお酒を、自暴やけに飲むんだから、困った人ねえ』
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんな噂を耳にしてから数日の後。地摺の青眼と綽名あだなのあるその池野内蔵くら八が朝早く、
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
我国の山名に倉の字の付く山が非常に多いのは、くらが磐であったことから転じて磐をクラと呼ぶようになり、それが後には物を貯うる岩窟のクラと混同した為であろう。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
くらあらそひのたくらみに、
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
八蔵、やい八蔵、どうしたどうした、え、八蔵ッ、と力任せに二つ三つ掴拳にぎりこぶしくらわせたるが、死活の法にやかないけん。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いきなり、がんとくらわされたから、おじさんの小僧、目をまるくしてきもつぶした。
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
八五郎は有合せの天秤棒を毘沙門びしやもん突きに、土藏くらの戸を閉め直してその前に頑張ります。
主人の話に、平次はフト聞耳を立てました。土藏くらの中の客といふのは、如何にも變に聽えます。
PR