“瞞”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
だま81.7%
ごま7.1%
たぶ1.6%
あざむ1.6%
かた1.6%
ごまか1.6%
くら0.8%
くる0.8%
くろ0.8%
たば0.8%
たばか0.8%
まん0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「無念!」と老人は悲痛な声で、「卑怯者め! だまし討ちとはな!」じいいっと鳰鳥を見詰めたが、「おっ、お前は! お前様は!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
△「おりう云ったっけが間に合わねえから、此の玉子焼にさわらの照焼は紙を敷いて、手拭に包み、猪口ちょこを二つばかりごまかしてこう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さうかと思ふと又心から人を見くびりせせら笑ひ影の影からあやかしたぶらかすやうな、一度聴いたら逃れる事も忘れる事も出来ない、何かの深い執念と怪しい魔力をひそめた声音こわねである。
桐の花 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
三世十方恒河沙数がうがしやすうの諸仏菩薩に妄執煩悩無きものやある、妄執煩悩無きものやある、何ぞ瞿曇ぐどん舌長したながなる四十余年の託言かごと繰言くりごと、我尊しの冗語じようご漫語まんご、我をばあざむおほすに足らんや、恨みは恨み、あだは讐
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
取られようにもかたられようにも、名誉も財産もないんだから初手しょてから見込の立たない代物しろものである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
米もそんなとこへ貰われて行けば僥倖しあわせというもんだろうと思われるし、世話するものがお前もよく知っているあの鳶頭かしらだからの、周旋口なこうどぐちをきいてお弁茶羅べんちゃらごまかす男でもないよ
何事にも、いわゆる再三謙辞して、しこうして受く、というのが礼節とされている。まして天下のそしりをくらますには、より厳かに、その退謙たいけんと辞礼を誇大に示すのが、策を得たものではないでしょうか。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
滝太郎の秘密を守るために、仰いでその怪みを化榎に帰して、即時人の目をくるめたので。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そんなら話すが実はおれも死のうと思っている、という訳は、旦那の金を二百六十両をつかい込んで、払い月だがまださがりませぬ/\と云って、今まで主人を云いくろめたが、もう十二月の末で
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「火焔と見せて吾をあざむき、その間に潜入しようとしても、この三太夫は偽むかれぬ。思ったよりも幼稚の術者め! この老人はたばかれまいぞ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「いや貴様がたばかったのだ。姫を瞞ったに相違ない。引っ捉えて八裂きにする! 者ども出合え! 者ども出合え!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しゃ田舎奴でんしゃぬ、人をまんずること少なからず」 
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)