ごま)” の例文
△「おりう云ったっけが間に合わねえから、此の玉子焼にさわらの照焼は紙を敷いて、手拭に包み、猪口ちょこを二つばかりごまかしてこう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「うめえこと云っておらをごまかそうとしてやがる。……畜生、何で許すもんか。」と平助は口の中で呟いた。それでも彼は手紙を、大事そうに襯衣シャツの隠しにしまった。
土地 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
花「なんかというと為だ/\とごまかして、お前さんが女房にしてやると云ったのは、ありゃ私をだましたんだね、もういゝわ、そんな水臭い」
長「それ見ろ、お父様とっさま御覧遊ばせ、此の通りだ粘りが有ります此の糊で附着くっつけてごまかそうとは太い奴では有りませんか」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
其様そんなことを云ったって役には立たん、うまごまかそうたって、うはいかんぞ、此方こちらしかと存じておる、これ千代
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
えゝなアになんてごまかして仰しゃらなかったが、何うも違うと思って居りました、兄様あにさんと云うのはひどうございますね、一体何をしてお居でなさったので
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんてごまかし込み、い程に挨拶を致し、しまいには何かお遣物つかいものをしよう、何を遣ったら宜かろう、八崎はっさきから幸いい鮎が来たから贈りたいものだと云うので
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
翌朝よくあさになりますと金をってごまかして、何うかうか広瀬の追分を越える手形を拵えて貰い、明日立とうか明後日あさってようかと、こそ/\支度をして居りますると
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
身請の下談したばなしが始まりましたんで、花里はびっくりいたして一度二度はていよくごまかしておき、斯うなってはう振ってふって振りぬいて、先から愛憎あいそをつかさせるより手段てだてはないと
漸々よう/\御注文通りに拵え上げたのです……わたくしア注文に違ってる品をごまかして納めるような不親切をする事ア大嫌でえきれえです……最初手間料に糸目をつけないと仰しゃったから請負ったので
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さて来たなと思いますと左様そうでない、有明の油をさしに来たのですから、えッ畜生ちきしょうだまされたかと腹は立ちますが、まさかに甚助らしいことも云われないので、寝たふりでごまかしている。
ごまかして居りましたが、何んでも己がトロリと寝たに逢引をしたに違いねえ、と疑心が晴れませんから、又一日いて松五郎を呼び、酒を飲ましていつもの通り蚊帳を釣って三人の床を
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と次第を聞くと、丈助がなまぞらをつかってごまかしました。侫弁ねいべんは甘くして蜜の如しというたとえの通りで、誠しやかに遣るのは丈助の得手でございますから、おぼこのおみゑは真実まことの事と思い
正「いえ全く御世辞じゃアないので、真から湧出わきだしたのでげす、ちょいとの箱の中にる目貫を一つ取っても千両にもなるんですが、盗めばすぐに露顕しますからごまかすことは出来ませんが」
お嬢さん同衾ひとつねを遊ばさないので、それだからいけやアしません、同衾をなされば少し位月が間違って居てもごまかしますよ、何うしたって指の先ぐらいは似て居りますから、何うでも出来ますのを
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
き立てればお米はごまかし