“かた”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カタ
語句割合
方31.4%
肩8.7%
堅6.9%
語6.1%
難5.6%
形4.9%
固4.3%
片4.1%
騙4.1%
硬3.4%
塊1.6%
式1.6%
型1.4%
談1.3%
抵当1.3%
確0.9%
傾0.9%
嫁0.9%
象0.8%
傍0.8%
潟0.7%
剛0.5%
夥多0.4%
緊0.4%
頑0.4%
凝0.3%
法0.3%
集0.3%
互0.3%
担0.3%
抵當0.2%
交0.2%
質0.2%
牢0.2%
詐0.2%
像0.1%
勝0.1%
艱0.1%
話0.1%
人0.1%
欺0.1%
偏0.1%
団0.1%
方法0.1%
運0.1%
印影0.1%
女0.1%
衒0.1%
謂0.1%
処置0.1%
婦人0.1%
側0.1%
容0.1%
忝0.1%
樣式0.1%
痕跡0.1%
瞞0.1%
警0.1%
辱0.1%
迭0.1%
鏗0.1%
印象0.0%
貞0.0%
令嬢0.0%
摸型0.0%
格0.0%
男0.0%
足形0.0%
丈夫0.0%
仁0.0%
仇0.0%
以降0.0%
來0.0%
例0.0%
先妻0.0%
克0.0%
加担0.0%
加擔0.0%
厳0.0%
双肩0.0%
取除0.0%
叵0.0%
塑0.0%
嬢0.0%
宅0.0%
封0.0%
形式0.0%
心堅0.0%
手法0.0%
抵0.0%
担保0.0%
揵0.0%
敵0.0%
旁0.0%
旦那0.0%
法例0.0%
滷0.0%
真像0.0%
縁0.0%
群0.0%
肩上0.0%
舁0.0%
蝟集0.0%
記者0.0%
詐欺0.0%
詐称0.0%
誦0.0%
諧0.0%
讐0.0%
贋0.0%
運命0.0%
集団0.0%
青年0.0%
鞏0.0%
頑固0.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
次の神樣はタカミムスビの神、次の神樣はカムムスビの神、この御(お)三方(かた)は皆お獨で御出現になつて、やがて形をお隱しなさいました。
もの優(やさ)しく肩(かた)が動(うご)くと、其(そ)の蝋(らふ)の火(ひ)が、件(くだん)の繪襖(ゑぶすま)の穴(あな)を覘(のぞ)く……其(そ)の火(ひ)が、洋燈(ランプ)の心(しん)の中(なか)へ、𤏋(ぱつ)と入(はひ)つて、一(ひと)つに成(な)つたやうだつた。
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
ぶたい花みちは雪にて作りたる上に板をならぶる、此板も一夜のうちに冰(こほり)つきて釘付(くぎづけ)にしたるよりも堅(かた)し。暖(だん)国に比(くらぶ)れば論(ろん)の外(ほか)なり。
南洲等力(つと)めて之を拒ぎ、事終に熄(や)む。南洲人に語(かた)つて曰ふ、七卿中他日關白(くわんぱく)に任ぜらるゝ者は、必三條公ならんと、果して然りき。
爪弾(つまはじ)きされたことは想像に難(かた)くなく、極端な無抵抗主義が因をなして、「腰抜け」という、有難からぬ綽名(あだな)まで頂戴したのでしょう。
黒の洋服で雪のような胸、手首、勿論靴で、どういう好みか目庇(まびさし)のつッと出た、鉄道の局員が被(かぶ)るような形(かた)なのを、前さがりに頂いた。
政談十二社 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼らは思慮も熟せず判断力も固(かた)くないから、見るもの聞くものその他すべて五感に触るるものによりて心の底までも動揺(どうよう)されやすい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
片(かた)っ方(ぽ)の角の蕎麦屋の台所口とがつづいたあと、右には同じく浅倉屋の土蔵、左には、表に灰汁桶(あくおけ)の置かれた女髪結のうちがあった。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
病みあがりの蟷螂(かまきり)のやうなあの痩せこけた老耄(おいぼれ)親父にうまうま騙(かた)られてしまつたぞと、親友を侮辱したのも偽りのない事実であつた。
お島が太(ふ)てたような顔をして、そこへ坐ったとき、父親が硬(かた)い手に煙管(きせる)を取あげながら訊ねた。お島は曇(うる)んだ目色(めつき)をして、黙っていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
燈火(ともしび)に反射した鉞の刃は、蛍合戦の時数千の蛍が、塊(かた)まって巨大な球となり、それが虚空に渦巻くがように、青光り閃き渦をまいた。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
誇るに西洋料理七皿をもってする、式(かた)のごとき若様であるから、冷評(ひやか)せば真に受ける、打棄(うっちゃ)って置けば悄(しょ)げる、はぐらかしても乗出す。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
却々(なかなか)大きな犬らしい足跡だから、人間が四つん這いになって、犬の足を模(も)した型(かた)で、こんな跡をつけたと考えることは不可能ではない。
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
予今水の東京を談(かた)るといへども、談つて甚だ詳しからず、必ずや水を得ざるの惨にあふことなからん。呵〻。(明治三十五年二月)
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
こんどは何かまとまった要(い)り用(よう)があるとかで、守口(もりぐち)の双葉屋という遊女屋から、お仙のからだを抵当(かた)に、百両ほど借りてしまった。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
記し終りて確(かた)く封(ふう)じ枕元なる行燈(あんどう)の臺に乘置(のせおき)稍(やゝ)しばし又も泪(なんだ)に暮たりしが斯ては果じ我ながら未練(みれん)の泪と氣を取直(とりなほ)し袖もて拭(ぬぐ)ひ立上り母の紀念(かたみ)の懷劍(くわいけん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
得ず然らば途中の御用心こそ專要(せんえう)なれど心付るを平兵衞は承知(しようち)せりと暇(いとま)を告(つげ)て立出れば早日は山の端(は)に傾(かた)ぶき稍(やゝ)暮(くれ)なんとするに道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
島田と別れてから二度目に嫁(かた)づいた波多野と彼女との間にも子が生れなかったので、二人は或所から養女を貰(もら)って、それを育てる事にした。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かの狩衣などを紫黒色に染めこれをエビ染め、またその色をエビ色というのはこれらブドウの実の熟した色に象(かた)どったものである。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
許されぬ。只眼にあまる情けと、息に漏るる嘆きとにより、昼は女の傍(かた)えを、夜は女の住居(すまい)の辺りを去らぬ誠によりて、我意中を
幻影の盾 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
けれども潟(かた)の事だから川よりは平穏だから、万一(まさか)の事もあるまい、と好事(ものずき)な連中(れんじゅう)は乗ッていたが、遁(に)げた者も四五人は有(あ)ッたよ。
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
内に黒く剛(かた)い、しかし外に灰銀の柔かな、平滑な光の面、面は縦に大きく円(まろ)く、極めて薄手の幅を持って、その両面が
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
日蔭に住む女達が世を忍ぶ後暗い男に対する時、恐れもせず嫌いもせず、必ず親密と愛憐との心を起す事は、夥多(かた)の実例に徴して深く説明するにも及ぶまい。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
三尺をまた半分にした、ようよう体(からだ)のはいられるだけの小さい潜戸(くぐり)は、まだ日も暮れぬのに、緊(かた)く閉(し)めきって、留守かと思うほどひっそりしている。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
ひがんだ、いぢけた、頑(かた)くなな私も、真裸になつて彼等の胸に飛び込んで行くことが出来た。そして、彼等の温い情(なさけ)に浸つた。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
第百四十八 スポンジゼリーの一 これは前のような牛乳のゼリーを冷まして半ば凝(かた)まった処へ玉子の白身を泡立ててよく混ぜて今度は本式に固めます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
家名相續(かめいさうぞく)は何(なに)ともすべしと言(い)ひ寄(よ)る人(ひと)一人(ひとり)二人(ふたり)ならず、ある時(とき)學士(がくし)が親友(しんいう)なりし某(それがし)、當時(たうじ)醫學部(いがくぶ)に有名(いうめい)の教授(けうじゆ)どの人(ひと)をもつて法(かた)の如(ごと)く言(い)ひ込(こ)みしを
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
羊のむれは羊の群らしくそんなことに関係なく、しじゅう汽車に驚いて集(かた)まってみたり、池に直面して凝議(ぎょうぎ)したりなんかばっかりしてる。
われに与えんとならば、まずひそやかに与えよかし。われら互(かた)みに持てる想いを、何人(なにびと)もさとらぬぞよき。
笑やアがって……あれまア肥料桶(こいたご)担(かた)げ出しやアがった、桶(たご)をかたせ、アヽ桶を下(おろ)して挨拶しているが……あゝ兼だ新田(しんでん)の兼だ、御厄介(ごやっけい)になった男だからなア
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
小作米の代りに勞働を提供したり、借金の抵當(かた)に、一生奉公の約束で、子供を提供する例も、決して少なくはなかつたわけです。
つまらなそうに地面をかぎながら黒が立ち去っていったあとまでも忠相と泰軒の声は交(かた)みにつづく。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
精米所の主人や、浜屋の内儀(かみ)さんなどに、家賃や、時々の小遣などの借のたまっていた壮太郎のために、双方の談合(はなしあい)で、その質(かた)に、お島の体があずけられる事になったのであった。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そうして行きながら、日常生活に没頭していながら、精神の自由を牢(かた)く守って、一歩も仮借しない処が Apollon(アポルロン) 的だ。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
引いたほうが利口だろうぜ。お奉行所へ聞こえても、面白くあるめえと思うのだ。詐(かた)りだからな
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
加えて、十字架に像(かた)どり、その上に地を這う蛇を結い付けて、邪悪に全勝せり、モセスかくて威光を揚げたれば、吾輩は吾輩の神たるキリストに向いて唄うべし
これこそわれから死を求むる、火取虫(ひとりむし)より愚(おろか)なる業(わざ)なれ。殊(こと)に対手(あいて)は年経し大虎、其方は犬の事なれば、縦令(たと)ひ怎麼(いか)なる力ありとも、尋常に噬(か)み合ふては、彼に勝(かた)んこといと難し。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
今は時も艱(かた)い上に、軽いものは笞(むち)、入墨(いれずみ)、追い払い、重いものは永牢(えいろう)、打ち首、獄門、あるいは家族非人入りの厳刑をさえ覚悟してかかった旧時代の百姓一揆(いっき)のように
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
何時(いつ)の頃のことであらうぞ、と感歎したのであるから、私は敢て「巴山夜雨の時を話(かた)るべき」と読みたく思ふのである。
閑人詩話 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
そこで単に気持のいい婦人は、それが決してまだら模様でないことを力説してから、「ときに、お生憎と今どき、あなたのように、そんな襞飾(ぎゃだ)なんかつけてる人(かた)はありませんのよ。」
欺(かた)り取れしこと專が勸(すゝ)めにより又村中の者を呼び酒宴を催(もよほ)し梅が不義昌次郎が騙(かた)りの始末相顯(あひあら)はれ是に因て梅を離縁(りえん)致し夫より同村の懇意(こんい)の者が中だちにて專(せん)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「待ってくれたまえ。わたしはそうくわしいことも知りませんがね、平田派の学問は偏(かた)より過ぎるような気がしてしかたがない。こんな時世になって来て、そういう古学はどんなものでしょうかね。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
女の死体の半焦げになった傍に小さな一団(かた)まりの消炭のような物を置いてある所があった。私はそれは女の負ぶっていた子供の死体であろうと思った。
死体の匂い (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
『ほんとかって、あなたがそれを知らんということはない、だけれども知らなかったらそれまでの話です、もうあなたも知ってみればこの後の方法(かた)をつけんじゃア』
女難 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「お君さんは運(かた)が悪うおますな」と、長屋の者が慰めに掛っても
青春の逆説 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
しかして神の婢(はしため)を見よといふ言葉、あたかも蝋に印影(かた)の捺(お)さるゝごとくあざやかにその姿に摺(す)られき 四三—四五
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
そんな甘い瞑想の谷へ曳きずりこんでしまった女(かた)は、一体どなたでございますの?
術士化け来って、その指環を衒(かた)り取ると、ミネカニエロまた老人となり、指環を取り戻さんと鼠が住む深穴国に至る。鼠ども術士の指を咬(か)んで環をミ翁に復(かえ)す。
子、子貢に謂(かた)って曰く、汝回と孰(いず)れか愈(まさ)れる。対(こた)えて曰く、賜(し)は何を敢(あ)えて回を望まん、回は一を聞いて以て十を知る、賜は一を聞いて以て二を知るのみ。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
ところでそっちの処置(かた)がついたら、そろそろ後釜(あとがま)の売りつけ——いやここだて、おれも母(おっか)さんも卿(おまえ)をな、まあお浪さんのあとに入れたいと思っているのだ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
長二、お前、亜米利加(アメリカ)とかで大層お世話になつた婦人(かた)があるぢや無いか、偉い女性(ひと)だとお前が言ふのだから、大した人に相違なかろが、一つ其婦人(かた)を貰ふわけにやなるまいか
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
向うは往来(おうらい)が三叉(みつまた)になっておりまして、側(かた)えは新利根(しんとね)大利根(おおとね)の流(ながれ)にて、折(おり)しも空はどんよりと雨もよう、幽(かす)かに見ゆる田舎家(いなかや)の盆灯籠(ぼんどうろう)の火もはや消えなんとし、往来(ゆきゝ)も途絶(とだ)えて物凄(ものすご)く
文句を云わずに伏罪(ふくざい)する事の便宜(べんぎ)を悟った彼は、たちまち容(かた)ちを改ためた。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
得(え)扨々御親切忝(かた)じけなし私しは本所松坂町に住む七右衞門と申す者なるが其金の譯と云ふは我等女房三年越の大病にて打臥(うちふし)居(を)り惣領の悴(せがれ)は風眼(ふうがん)にて種々(いろ/\)療治致せ共當春よりとう/\兩眼共潰(つぶ)れ何共詮方なく我等は老年に及びし上(うへ)重病人に掛りて商賣等も致さず益々困窮に迫(せま)り今日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
請(こ)ふさらに何故に模寫(うつし)と樣式(かた)とが一樣ならざるやを我に告げよ、我自らこれを想ふはいたづらなればなり。 五五—五七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
処々裂けた襖、だらしなく吊下つた壁の衣服、煤ばんで雨漏の痕跡(かた)がついた天井、片隅に積んだ自分の夜具からは薄汚い古綿が喰(は)み出してる。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
瞞(かた)りであつた
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
もはや町々を警(かた)めに来る近衛(このえ)騎兵の一隊が勇ましい馬蹄(ばてい)の音も聞こえようかというころになった。その鎗先(やりさき)にかざす紅白の小旗を今か今かと待ち受け顔な人々は彼の右にも左にもあった。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
封じ目ときて取出(とりいだ)せば一尋(ひとひろ)あまりに筆のあやもなく、有難き事の数々、辱(かた)じけなき事の山々、思ふ、恋(した)ふ、忘れがたし、血の涙、胸の炎、これ等の文字(もんじ)を縦横(じうわう)に散らして
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼は、若い男鹿(おじか)の四肢のように、スラリと娜(しなやか)な少年の姿を、飽かず眺めたり、父と母とに迭(かた)みに話しかける簡単な会話に、耳を傾けたりしていた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
それは鍛冶屋で、トンカン、トンカンと鉄砧(かなしき)を撃つ鏗(かた)い響が、地の底まで徹る様に、村の中程まで聞えた。
赤痢 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
さて他の聖者の群(むれ)即ち先にエムメにて百合となりて悦ぶ如く見えし者は、少しく動きつゝかの印象(かた)を捺(お)し終りたり 一一二—一一四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかしてかのあまたの光に飾らるゝ天は、これをめぐらす奧深き心より印象(かた)を受けかつこれを捺(お)す 一三〇—一三二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
苦節は貞(かた)くす可(べ)からずの一句、易(えき)の爻辞(こうじ)の節の上六(しょうりく)に、苦節、貞(かた)くすれば凶なり、とあるに本(もと)づくと雖(いえど)も、口気おのずから是(これ)道衍の一家言なり。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
道衍(どうえん)は豪傑なり、孝孺は君子なり。逃虚子(とうきょし)は歌って曰く、苦節貞(かた)くすべからずと。遜志斎(そんしさい)は歌って曰く、苦節未だ非とす可からずと。逃虚子は吟じて曰く、伯夷量(はくいりょう)何ぞ隘(せま)きと。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
其様(そんな)ことは先生に取つて少しも珍らしく無いのだ、此頃は尚(ま)だ酷(ひど)い風評(うはさ)が立つてるんだ——山木の梅子さんて令嬢(かた)と
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
此の老女を労(いたは)つて下ださい、是れは先頃芸妓殺(げいぎころし)と唄(うた)はれた、兼吉と云ふ私の友達の実母です、——老母(おつかさん)、私は、或は明日から他行(たぎやう)するも知れないが、少しも心置なく此の令嬢(かた)に御信頼(おたより)なさい
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
奥様それでは、私も、お怨み申さにやなりませぬ。口から、口へ、口うつし。演劇(しばい)で見ました、その摸型(かた)を、一生懸命、やつとの事で、繋ぎ止めたるお生命を。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
うわははははは、この師直(もろなほ)は、鮒侍などと、旧い摸型(かた)は行き申さぬ。当意即妙新案の、蝸牛(くわぎう)紳士は、どでござる。いざ改めて、今宵の肴に、紹介申すと。戯れて、笑はすつもりも、御念が入つては。
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
夜中郵便(やちゅうゆうびん)と書いて板塀(いたべい)に穴があいているところを見ると夜は締(しま)りをするらしい。正面に芝生(しばふ)を土饅頭(どまんじゅう)に盛り上げて市(いち)を遮(さえ)ぎる翠(みどり)を傘(からかさ)と張る松を格(かた)のごとく植える。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
六尺の距離は格(かた)のごとく埋(うず)められて、主客の位地は辛うじて、接待の道具で繋(つな)がれる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
誰でも人は胸に燃え立つ火の塊(かたまり)を蔵(をさ)めて居るものです、火の口を明けて其を外へ噴(ふ)き出さぬ程心苦しいことはありませぬ、世の中の多くは其れを一人の男(かた)に献げて満足するのです、けれど
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
「ぢや、お嬢様も其れを一人の男(かた)にお上げなされば可(い)いぢや御座いませんか」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
こちとらと小僧のは裸足だから苦もねえが、さてはいった足形(かた)ばかりで出た跡のねえのが、のう皆の衆、ちっとべえ臭かごわせんかい。
足袋屋じゃねえが、ここに足形(かた)が三種ある。一つあ死人の高足駄で左手から蔵へ、こりゃあ夜中の雨の最中に付いたもの。
左様(さう)ぢや無い、私は慥(たしか)に身も心も献げた尊(たふと)き丈夫(かた)が在(あ)るのです、けれど篠田さん——貴方は少しも私の心
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
武「なに私(わし)は医者じゃアないが、貴方は何かえ、此の長屋を支配なさる藤兵衞殿と仰しゃる仁(かた)かえ」
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
わしは自分の過去の青年時代や、自分の受けたすべての侮辱に対して仇(かた)き討ちをするんです!
お品(しな)は二三日(にち)此(この)來(かた)もう切干(きりぼし)も切(き)らなければならないと自分(じぶん)が口(くち)について云(い)つて居(ゐ)たことを思(おも)ひ出(だ)して、おつぎが能(よ)く機轉(きてん)を利(き)かしたと心(こゝろ)で悦(よろこ)んだ。庖丁(はうちやう)の音(おと)が雨戸(あまど)の外(そと)に近(ちか)く聞(きこ)える。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
ば例(かた)の如く菩提寺(ぼだいじ)へ葬(はうむ)り僅(わづ)かなる家財(かざい)調度(てうど)は賣代(うりしろ)なし夫婦が追善の料(れう)として菩提寺へ納(をさ)め何呉(なにくれ)となく取賄(とりまかな)ひ最(いと)信實(しんじつ)に世話しけり然(され)ば村の人々も嘉傳次が死(し)を哀み感應院の篤(あつ)き情(なさけ)を感(かん)じけるとかや
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いいえ、主人は大層良くしてくれますので有難い幸福(しあわせ)なことだと思っております。しかし、前の先妻(かた)の遺(のこ)して行かれた娘さんが一人、どうにも私に懐かないのでございます」
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
聞て我輩大(おほい)に驚けり己(おの)れの心己れが嗜欲に克(かた)ざるを知り罪を犯せし後に悔(くゆ)とも犯さゞる前に復(かへ)らざるを知り浪費せざる前に早く物と換へて其災ひを未前(みぜん)に防ぐ智といふべし歸りて父の温顏を見るを
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
文選の小僧共はまだ原稿が下りないので、阿弥陀䰗をやつてお菓子を買はうと云ふ相談をして居て、自分を見ると、「野村さんにも加担(かた)ツて貰ふべか。」
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
文選の小僧共はまだ原稿が下りないので、阿彌陀鬮(あみだくぢ)をやつてお菓子を買はうと云う相談をして居て、自分を見ると「野村さんにも加擔(かた)ツて貰ふべか。」
病院の窓 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
仕方のなくなった守衛は、屋上からの狭い出口を厳(かた)めて、そこから一人ずつ通して首実験をしようとしたが、そんなことをしていたら一時間経っても仕事が出来ない。
党生活者 (新字新仮名) / 小林多喜二(著)
幼少の頃、将来(いまに)汝(おまえ)は何に成るの? と能く聞かれたものでした。すると私は男の子の如(よう)に双肩(かた)聳やかして女弁護士! と答えました。
職業の苦痛 (新字新仮名) / 若杉鳥子(著)
あんなもの建てなけりゃアいゝに、庚申塚が有って見えやアしねえ、庚申塚取除(かた)せ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
火遁の術は奇にして蹤(あと)尋ね叵(かた)し 荒芽山畔日(ひ)将(まさ)に沉(しず)まんとす 寒光地に迸(ほとばし)つて刀花乱る 殺気人を吹いて血雨淋(りん)たり 予譲(よじよう)衣を撃つ本意に非ず 伍員(ごいん)墓を
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
それから藤沢古実君が土を用意して来て居り、息のあるうち恩師の顔を塑(かた)にとりたいといふので、夫人不二子さんの許(ゆるし)を得て、写真も撮り、面塑も出来た。そして廿六日は暮れた。
島木赤彦臨終記 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
「それにあの嬢(かた)も、オホホホ何だと見えて、お辞儀する度(たんび)に顔を真赤にして、オホホホホホ」
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
只今では高輪の船宿で、伊勢屋と申す宅(かた)においでゞすが、此の事を御重役渡邊様へ達して、渡邊さまからお上(かみ)へ伺いました処が、早々召返すようにというので、御苦労遊ばした甲斐があって
辛未(かのとひつじ)、皇太子、使を遣(また)して飢者を視しむ。使者還(かへ)り来て曰く、飢者既に死(まか)りぬ。爰(ここ)に皇太子大(おほい)に之(これ)を悲しみ、則ち囚(よ)りて以て当処(そのところ)に葬(ほふり)埋(をさ)めしむ。墓(つか)固(つき)封(かた)む。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
『棺の中へ入れとけ。ドッチにしても形式(かた)ばっかりの診察じゃろうケニ』
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かの女が、心堅(かた)く膽大(きもふと)ければ、マリアを下に殘しつゝ、クリストとともに十字架に上(のぼ)りし事さへこれが益とならざりき 七〇—七二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
……妾(わたし)はこれまでここに籠(こも)って幾十人幾百人、いろいろの人のいろいろの顔を、いろいろの手法(かた)で刻んだけれど、これぞ本当に悪人というそういう顔を見たことがない。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そういう場合、大抵接吻(せっぷん)と指切りを抵(かた)において行くのが、思いやりのある彼女の手であった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
家作を担保(かた)に五百両の現金を生み出し、夕方立寄ったお艶にその金を握らせて無理に「一札入申候証文之事」を書かせ、ここで二百両撥ねようと約束通り世間を忍んで子の刻に
ローラン・ダーヴィユーまた述べたは、かつてアラビヤのある港で、一水夫が灰一俵揵(かた)ぐるとて一つ取り外(はず)すと、聴衆一同無上の不浄に汚されたごとく争うて海に入るを睹(み)た。
「するとあの娘(こ)が、敵(かた)き役と女形(おやま)と、二た役勤めたというんですか」
これを右ようにヒロメ(幅広い海藻の意)と呼べば古名復活にもなって旁(かた)がたよろしい。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
「はあ、いえ、それでございますがな。まあ、御新造(ごしん)さん、お掛けなすって。旦那もどうぞ。いらっしゃいましたよ、つい今しがた、前刻(さっき)の旦那(かた)が。」
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
獸の群の女王をえんとて己をブオソ・ドナーティといつはり、その遺言書(ゆゐごんしよ)を作りてこれを法例(かた)の如く調(とゝの)ふるにいたれるに似たり —四五
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
万葉の中には「田子の浦ゆうちいでて見れば真白にぞ不尽(ふじ)の高嶺(たかね)に雪はふりける」「わかの浦に汐(しお)満ちくれば滷(かた)をなみ蘆辺(あしべ)をさしてたづ鳴きわたる」
人々に答ふ (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
清き人は其の時に神を見ることが出来るのである、多分万物の造主(つくりぬし)なる霊の神を見るのではあるまい、其の栄の光輝(かがやき)その質の真像(かた)なる人なるキリストイエスを見るのであろう
アンドレーセン子爵に縁(かた)づいている姪(めい)のソールヴェイグ夫人、その母親のフロム夫人、それらの人々ともどもホール入口で客を迎えて
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
川中にはさゞ波の小じわが立つてそれが一群(かた)まりづゝ動きながら、あるひは右あるひは左へ水の色を変へてゐる。
両国今昔 (新字旧仮名) / 木村荘八(著)
『實(じつ)に感謝(かんしや)に堪(た)えません。』と私(わたくし)は不測(そゞろ)に憘涙(うれしなみだ)の流(なが)るゝを禁(きん)じ得(え)なかつた。無邪氣(むじやき)なる日出雄少年(ひでをせうねん)は眼(め)をまんまるにして、武村兵曹(たけむらへいそう)の肩上(かた)で躍(をど)ると。
舁(かた)げて出行たり跡(あと)は徳右衞門を始(はじ)め家内の者もホツト溜息(ためいき)を吐計(つくばかり)なり斯(かく)て善六は神奈川臺(だい)へ行て駕籠(かご)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こうした家々が、ところによっては野原のようにだだっぴろい通りと涯(はて)しもない木柵(もくさく)の間にぽつんぽつんと立っており、ところによっては蝟集(かた)まってごちゃごちゃと立てこんでいた。
「お師匠さんの芸談を聴きに来た、演芸の方の記者(かた)らしいのですよ。談話(はなし)といてくだすった方が好いと思いますから、お逢いになってくださいな。」
市川九女八 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
妾が紅矢様の馬と着物を詐欺(かた)り取って、紅矢様に化けて来ていたので御座います。
白髪小僧 (新字新仮名) / 夢野久作、杉山萠円(著)
その印可に書いてある佐々木小次郎の名を詐称(かた)って歩くと、かなり都合のよい時もある。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
姥は居ずまいを直して、厳かな声音(こわね)で、誦(かた)り出した。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
前世の宿因に依ってこの諧(かた)らいを為(な)せり、これを形見にせよとて、玉の箱を残して去った、時兼恋情に堪えず、平木の沢に行って歎くと、かの女長(たけ)十丈ばかりの大蛇と現わる
俺達は、お前の仲間十何人の讐(かた)きを取ってやろうと思っているのだから、早く気をシッカリさして返事をしてくれなければ困る。
支那米の袋 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
一時を弥縫(びほう)せんと、ここに私印偽造の罪を犯して武男の連印を贋(かた)り、高利の三千円を借り得て、ひとまず官金消費の跡を濁しつ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
お君さんは運命(かた)が悪うおますなと慰め顔の長屋の女たちにも、仕方おまへん、そんな不幸もどこ吹いた風かと笑ってみせ、例の死んだ人たちの想い出話そしてこみあげて来るすゝり泣きを期待し
雨 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
あちこち粗らに人家が集団(かた)まっていたりする、代表的な、寒ざむしい新開地だった。
双面獣 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「ええ。今消させて直ぐ自動車でコチラへ参りましたのよ。ちょっとこの青年(かた)へいって置きたいことが御座いましたもんですから……」
女坑主 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
僕にしてかくのごとき弱点はさらにないという自信がさらに鞏(かた)ければ、もっと大胆に論じたいが、自分で顧(かえり)みて折々は逆上(のぼせ)そうになったこともあった。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
半「銚子屋のは頑固(かた)いからそう/\出歩く訳にもゆかず、そりゃア己だっても心配はして居るけれども、左様(そう)はいかねえ」