“冷評”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひやか63.2%
ひやかし13.2%
ひやかす7.9%
ひや5.3%
さま2.6%
ひようばん2.6%
れいひやう2.6%
れいひょう2.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誇るに西洋料理七皿をもってする、かたのごとき若様であるから、冷評ひやかせば真に受ける、打棄うっちゃって置けばしょげる、はぐらかしても乗出す。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「君は今あの男と女を見て、冷評ひやかしましたね。あの冷評ひやかしのうちには君が恋を求めながら相手を得られないという不快の声がまじっていましょう」
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
源さんが聞たら何うだらう氣違ひになるかも知れないとて冷評ひやかすもあり、あゝ馬車にのつて來る時都合が惡るいから道普請からして貰いたいね
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「そうしたら、お前はもと岡本さんにいただけあって、奥さんの事というと、何でも熱心に弁護するから感心だって、冷評ひやかされました」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
紅屋で振舞った昨夜ゆうべの酒を、八郎が地酒だ、と冷評さましたのを口惜くやしがって、——地酒のしかも「つるぎ」と銘のある芳醇ほうじゅんなのを、途中で買って、それを角樽つのだるで下げていたのであるから。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
淡泊あつさり仕舞しまふて殊更ことさら土産みやげをり調とゝのへさせ、ともには冷評ひようばん言葉ことばきながら、一人ひとりわかれてとぼ/\と本郷ほんごう附木店つけぎだな我家わがやもどるに、格子戸こうしどにはしまりもなくして、うへへあがるに燈火ともしびはもとよりのこと
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
あく役所やくしよると、みんなから病氣びやうきはどうだとかれた。なかにはすこせたやうですねとふものもあつた。宗助そうすけにはそれ無意識むいしき冷評れいひやう意味いみきこえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
しかし僕等は本気ほんきになって互に反駁はんばくを加え合っていた。ただ僕等の友だちの一人、——Kと云う医科の生徒だけはいつも僕等を冷評れいひょうしていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)