“淡泊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たんぱく48.0%
あつさり16.0%
あっさり12.0%
さっぱり8.0%
さつぱり4.0%
あっさ4.0%
さっぱ2.0%
さつぱ2.0%
たんばく2.0%
アツサリ2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「いったいどうすればお前の気に入るんだか、僕には解らないがね、だからその条件をもっと淡泊たんぱくに云っちまったらいいじゃないか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
眼は大きく黒くて、二重瞼の二重顎ダブルジヤーの福々しい女。その眉の形と云へば全く話に出来ぬ程美しい曲線だ。頬に赤みがあつて淡泊あつさりとした女である。
も紅も似合うものを、浅葱だの、白の手絡てがらだの、いつも淡泊あっさりした円髷まるまげで、年紀としは三十を一つ出た。が、二十四五の上には見えない。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「たくさんじゃないわよ。ちょっと伺いたいから伺ったんだから、正直に淡泊さっぱりとおっしゃいよ」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
左様さうかと言つて可厭いやに澄まして居るといふ風でも無い——まあ、淡泊さつぱりとした、物に拘泥こうでいしない気象の女と知れた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それで男と女が洋食屋へ入ってから以後の事だけをごく淡泊あっさり話して見ると、うちを出る時自分が心配していた通り、少しもつらまえどころのない
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「大変淡泊さっぱりしているじゃないか」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『さうでか、下にも火が無いやらあるやら解らんけん、それぢやもう火は入れんでよ……』と淡泊さつぱりした叔母は、気軽なことを云ふ。
兄にしては感心なやり方だ、何の六百円ぐらい貰わんでも困りはせんと思ったが、例に似ぬ淡泊たんばくな処置が気に入ったから、礼を云って貰っておいた。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
案外に淡泊アツサリと返事をしたが、これが彼の平生のこんな場合の返事振ではない
蜻蛉:――飜弄さる (新字旧仮名) / 中原中也(著)