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淡泊
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あつさり
ふりがな文庫
“
淡泊
(
あつさり
)” の例文
眼は大きく黒くて、二重瞼の
二重顎
(
ダブルジヤー
)
の福々しい女。その眉の形と云へば全く話に出来ぬ程美しい曲線だ。頬に赤みがあつて
淡泊
(
あつさり
)
とした女である。
死線を越えて:01 死線を越えて
(新字旧仮名)
/
賀川豊彦
(著)
池
(
いけ
)
に
咲
(
さ
)
く
菖蒲
(
あやめ
)
かきつばたの
鏡
(
かゞみ
)
に
映
(
うつ
)
る
花
(
はな
)
二本
(
ふたもと
)
ゆかりの
色
(
いろ
)
の
薄
(
うす
)
むらさきか
濃
(
こ
)
むらさきならぬ
白元結
(
しろもとゆひ
)
きつて
放
(
はな
)
せし
文金
(
ぶんきん
)
の
高髷
(
たかまげ
)
も
好
(
この
)
みは
同
(
おな
)
じ
丈長
(
たけなが
)
の
櫻
(
さくら
)
もやう
淡泊
(
あつさり
)
として
色
(
いろ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
唐桟
(
たうざん
)
揃ひの
淡泊
(
あつさり
)
づくりに住吉張の銀煙管おとなしきは、職人らしき
侠気
(
きほひ
)
の風の
言語
(
ものいひ
)
挙動
(
そぶり
)
に見えながら
毫末
(
すこし
)
も
下卑
(
げび
)
ぬ上品
質
(
だち
)
、いづれ親方〻〻と多くのものに立らるゝ棟梁株とは
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
此
(
この
)
婆さんを下宿の主人夫婦が大切にする事は日本の美しいと云はれる家庭でも余り見受けない程である。三度の食事が婆さんが来た為に一度増して午後五時頃に簡単な
淡泊
(
あつさり
)
した食事が婆さんに出る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
品
(
ひん
)
のよき
高髷
(
たかまげ
)
にお
根
(
ね
)
がけは
櫻色
(
さくらいろ
)
を
重
(
かさ
)
ねたる
白
(
しろ
)
の
丈長
(
たけなが
)
、
平打
(
ひらうち
)
の
銀簪
(
ぎんかん
)
一
(
ひと
)
つ
淡泊
(
あつさり
)
と
遊
(
あそ
)
ばして
學校
(
がくかう
)
がよひのお
姿
(
すがた
)
今
(
いま
)
も
目
(
め
)
に
殘
(
のこ
)
りて、
何時
(
いつ
)
舊
(
もと
)
のやうに
御平癒
(
おなほり
)
遊
(
あそ
)
ばすやらと
心細
(
こゝろぼそ
)
し
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
晩に
御
(
ご
)
馳走があるから昼は
淡泊
(
あつさり
)
済まして置くんだ。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
淡泊
(
あつさり
)
と
仕舞
(
しま
)
ふて
殊更
(
ことさら
)
に
土産
(
みやげ
)
の
折
(
をり
)
を
調
(
とゝの
)
へさせ、
友
(
とも
)
には
冷評
(
ひようばん
)
の
言葉
(
ことば
)
を
聞
(
き
)
きながら、
一人
(
ひとり
)
別
(
わか
)
れてとぼ/\と
本郷
(
ほんごう
)
附木店
(
つけぎだな
)
の
我家
(
わがや
)
へ
戻
(
もど
)
るに、
格子戸
(
こうしど
)
には
締
(
しま
)
りもなくして、
上
(
うへ
)
へあがるに
燈火
(
ともしび
)
はもとよりの
事
(
こと
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平打の
銀簪
(
ぎんかん
)
一つ
淡泊
(
あつさり
)
と遊して學校がよひのお姿今も目に殘りて、何時舊のやうに
御平癒
(
おなほり
)
あそばすやらと心細し、植村さまも好いお方であつたものをとお倉の言へば、何があの色の黒い無骨らしきお方
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
黄八丈の
袖
(
そで
)
の長き書生羽織めして、品のよき
高髷
(
たかまげ
)
にお根がけは桜色を重ねたる白の
丈長
(
たけなが
)
、
平打
(
ひらうち
)
の
銀簪
(
ぎんかん
)
一つ
淡泊
(
あつさり
)
と遊して学校がよひのお姿今も目に残りて、
何時
(
いつ
)
旧
(
もと
)
のやうに
御平癒
(
おなほり
)
あそばすやらと心細し
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
“淡泊”の意味
《名詞》
色・味などがしつこくないこと。
拘りがなく、態度や性格がさっぱりしていること。
そっけないこと。性的な関心が弱いこと。
(出典:Wiktionary)
淡
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
泊
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
“淡泊”で始まる語句
淡泊な沈着