“侠気”のいろいろな読み方と例文
旧字:侠氣
読み方割合
おとこぎ48.4%
きょうき33.9%
をとこぎ6.5%
きおい3.2%
いなせ1.6%
おとこ1.6%
おとこだて1.6%
きほひ1.6%
をとこ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
エドワルド、セビルという侠客おとこだてがございますが、これを江戸屋えどや清次郎せいじろうという屋根屋の棟梁とうりょうで、侠気おとこぎな人が有ったというお話にします。
それに、彼の持ちまえの侠気きょうきというか、功名心というか、そうしたものが、彼自身でも気づかない間に、そろそろと頭をもたげていた。
次郎物語:02 第二部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
万事は侠気をとこぎのある扇屋の亭主の計らひで、検屍が済む、役人達が帰つて行く、一先づ死体は宿屋の方へ運ばれることに成つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
……がらおちの相場師は、侠気きおいはあっても苦しい余りに、そちこち、玉子の黄味ぐらいまで形のついた。……
これは白魚河岸のほうの床屋の職人で、二十一になる銀吉という、目のキラリと光る侠気いなせな若いだった。
小説 円朝 (新字新仮名) / 正岡容(著)
おおそうならば我がすると得たりかしこで引き受けては、上人様にも恥かしく第一源太がせっかくみがいた侠気おとこもそこですたってしまうし、汝はもとより虻蜂あぶはち取らず、知恵のないにもほどのあるもの
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と素より侠気おとこだての人ゆえ、御案内の通り恐ろしい谷間の急な坂を登って参り、庚申塚のります折田の根方へ来て見ますると、血が少し流れて居るのみで、供の女中岩と申すものゝ死骸が見えません。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
唐桟たうざん揃ひの淡泊あつさりづくりに住吉張の銀煙管おとなしきは、職人らしき侠気きほひの風の言語ものいひ挙動そぶりに見えながら毫末すこし下卑げびぬ上品だち、いづれ親方〻〻と多くのものに立らるゝ棟梁株とは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
応左様ならば我が為ると得たりかしこで引受けては、上人様にも恥かしく第一源太が折角磨いた侠気をとこも其所で廃つて仕舞ふし、汝はもとより虻蜂取らず、智慧の無いにも程のあるもの
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)