“きょうき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
兇器27.5%
侠気26.3%
狂気12.5%
狂喜11.3%
凶器5.0%
驚喜5.0%
怯気3.8%
龔起1.3%
強記1.3%
拱基1.3%
狂倚1.3%
狂器1.3%
経机1.3%
驕旗1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人間を傷つけるに兇器きょうきにこといたのかはしらぬが、歯をもってみ殺すとは何ごとであるか。まるでけもののような殺し方である。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
侠気きょうきとたのもしさとをその目に物語らせながら、ぎろり若者の面を見すえたものでしたから、ようやく男も安心と決意がついたのでしょう。
人々はもはや耳かきですくうほどの理性すら無くしてしまい、場内を黒く走る風にふと寒々とかれて右往左往する表情は、何か狂気きょうきじみていた。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
快風かいふう一陣! かれを狂喜きょうきせしめた便たよりは天の一かくからきた。クロの足にむすびつけられた伊那丸いなまる血書けっしょの文字、竹童ちくどうがもたらしてきた果心居士かしんこじの手紙。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すぐ眼の前の新聞記事によれば、犯人は凶器きょうきを持っていたとあるではないか! うっかり声でも立てたなら、どんなことになるかも知れない。
香水紳士 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
けれども更に私の眼を驚喜きょうきせしめたものは、熔岩流の間にはぐくまれたところの自然の美しさであった。
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
「敵を知る者は勝つ。怖るべき敵を怖るるは決して怯気きょうきではない。よろしく、都へ人を上せて、曹丞相そうじょうしょうより精猛の大軍を乞い、充分戦法を練って攻めかかるべきであろう」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
副将には、龔起きょうきをえらび、各三千騎を附して、にわかに、それへ差し向けると共に、孔明は、城兵の突出をおそれて、陣を二十里外へ退いた。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「わが大将謝雄も、敵の王双に斬って落され、二陣に続いて行ったわが龔起きょうき将軍も、王双のために一刀両断にされました。——魏の王双は抜群で、とても当り得る者はありません」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その強記きょうきはいかなる市井しせい瑣事さじにも通じ、その方寸には、浮世の大海に刻々寄せては返す男浪おなみ女浪めなみひだの一つ一つをすら常にたたみこんでいる大岡忠相であった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その門はおごそかなルイ十四世式の建築であって、直線式の拱基きょうき欄干がついており、平たい二つの円形浮き彫りが両側についていた。いかめしい建物正面が門の上にそびえていた。
源三郎光央は十五歳のとき、狂倚きょうきの質である、という理由で廃嫡された。
若き日の摂津守 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「勇は逆徳ぎゃくとくなり。兵は狂器きょうきなり。軽々しく用いてはなりませんぞ」
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
経机きょうきの上へ悠然と腰をおろして、前の畳へ二本の抜き身を突きさした、それに対して、老いた役者が白い綿入れに巻き帯して平伏している。役者というのは、いまでいう寺の執事長である。
増上寺物語 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
佐久間玄蕃允げんばのじょうが、中入りの危険を冒して大岩、岩崎の二城塁を一挙に攻めり、これに驕旗きょうきをひるがえして
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)