“兇器”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうき84.6%
きようき15.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
勿論、兇器きょうきは離さない。うわそらの足がおどつて、ともすれば局の袴につまずかうとするさまは、燃立もえた躑躅つつじの花のうちに、いたちが狂ふやうである。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
人間を傷つけるに兇器きょうきにこといたのかはしらぬが、歯をもってみ殺すとは何ごとであるか。まるでけもののような殺し方である。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ガラツ八は其邊を搜しましたが、兇器きようきになるやうな石も棒も見當らず、反つて染吉の持物だつたらしい、贅澤ぜいたく羅紗らしやの紙入が見付かりました。
なにしろ腕力わんりよくがあるからかなひませんね。それに兇器きようきももつてゐるやうです。洋行やうかうするときの護身用ごしんようにとつたものです。一しよにあるいてゐると、途中とちう時々とき/″\ぬかれるんでね。あの無気味ぶきみです。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)