“兇賊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きょうぞく66.7%
きようぞく33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あわれ、何しに御身おんみはだえけがるべき。夫人はただかつてそれが、兇賊きょうぞくの持物であったことを知って、ために不気味に思ったのである。
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼の片頬かたほほには見るも恐ろしいかにのような形をした黒痣くろあざがアリアリと浮きでていた。これこそうわさに名の高い兇賊きょうぞく痣蟹仙斎あざがにせんさいであると知られた。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
左傷の五右衞門——それはまことに恐るべき兇賊きようぞくでした。暮から活動を始めて、この三月末までには、神田から下谷、淺草、本郷へかけて、十五六軒も荒したことでせう。
さうした讀書から自然に覺えた探偵ごつこ、自分の友達の多少魯鈍ろどんなのを兇賊きようぞくに仕立てたりして、それをわら繩で縛り上げる敏腕な探偵は、私の少年時代のある時の姿だつたから……。
探偵小説の魅力 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)