“躓”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つまず72.2%
つまづ22.0%
つま4.8%
けつまず0.3%
けつまづ0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
励んだり、気負いたっているとき、出はなにつまずくと、ずるずると、それはもう惨めとも話にならぬだらしなさで泥沼へ落ちてしまう。
青鬼の褌を洗う女 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
人間はすべてつまづき、すべてが絶望の苦悩を持つてゐるものであると、伊庭は云ふのである。どの人間も、絶望は長く、喜びは短い。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
そのうちにあまり用心しすぎたせいだろう、畳の破れめにでもつまずいたらしく、どさどさとよろけざま、なにかを踏みぬく激しい音が聞えた。
泥棒と若殿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「だって、住吉すみよし、天王寺も見ないさきから、大阪へ着いて早々、あのおんなは? でもあるまいと思う。それじゃ慌て過ぎて、振袖にけつまずいて転ぶようだから、痩我慢やせがまん黙然だんまりでいたんだ。」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ひよつくら其様なことを考へたのだ。彼は平坦の路を歩いてゐて、不意に小石にけつまづいたやうに吃驚びつくりした。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
けつまろびつ、裾踏み乱して嗚咽おえつしながら、門まで大次郎のあとを追って出て千浪の耳に聞えたのは、そこの練塀小路の町かどをまがって消えて行く、かれの詩吟の声のみだった。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)