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躓
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つま
ふりがな文庫
“
躓
(
つま
)” の例文
そのうちにあまり用心しすぎたせいだろう、畳の破れめにでも
躓
(
つま
)
ずいたらしく、どさどさとよろけざま、なにかを踏みぬく激しい音が聞えた。
泥棒と若殿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「いや、そんな事を遠慮する奴があるものか。斯うなれば
躓
(
つま
)
づく石つころも手掛りだ、早速宗太郎の樣子を探つて見よう」
銭形平次捕物控:046 双生児の呪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
ど
)
うしても
其処
(
そこ
)
を通らなければ出られないから、安田はわざと三人の刀の
鐺
(
こじり
)
を出して置きますと、長い刀の
柄前
(
つかまえ
)
にお隅が
躓
(
つま
)
づきましたのを見ると
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何か小石のようなものに
躓
(
つま
)
ずいたような気がすると、新月がたの、きれ傷が、よく白い
脛
(
すね
)
に紅い血を走らせた。
天狗
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
岩に
躓
(
つま
)
ずき、
葛
(
かずら
)
に引っからまり、山中をかけずり回り、身体綿のごとくなってへたばる。兎は遂に行方不明。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
▼ もっと見る
凌ぎつゝ勢ひをつけて
下
(
くだ
)
る下りてやゝ麓近くなりしとき篁村小石に
躓
(
つま
)
づきはづみを打て三四間けし飛びしが
鞍馬
(
くらま
)
育ちの御曹子を只
散髮
(
ざんぎり
)
にした丈の拙者なればドツコイと傘を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
暗がりをば手探りで、椅子に
躓
(
つま
)
ずきもしずに、用箪笥の方へまっすぐに歩いて行った。
空家
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
彼は女に話しかけるのに夢中である。従って彼のニッカーボッカーを穿いた両脚は勝手に動いて奇術師のようにふらふら調子を取りながら時々小石や小径のふちの雑草の根本に
躓
(
つま
)
ずいて妙に曲る。
決闘場
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ただ人の子を
躓
(
つま
)
づかせるものがあるだけなのです。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
僕はつい用意の足りない
躓
(
つま
)
ずき方をしたのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
片付大宮にて親分に追付んと鷲の宮なる杉林へ
來懸
(
きかゝ
)
りしが
死骸
(
しがい
)
に
躓
(
つま
)
づき是は何者なるやと能々見るに
親分
(
おやぶん
)
金兵衞の死骸なれば藤兵衞は大いに驚き先生々々
爰
(
こゝ
)
に親分が
切
(
きら
)
れてと
聞
(
きく
)
より掃部も
駈寄
(
かけよつ
)
て能見れば正敷金兵衞の死骸なり
南無
(
なむ
)
さん何者の
仕業
(
しわざ
)
ならんと三人は
切齒
(
はがみ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「だいぶ以前から知っては居るんです。しかし……。」と言って、
躓
(
つま
)
ずいたように黙り込んでしまった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
すると甚藏は是を
追駈
(
おっか
)
けようとして新吉に
躓
(
つま
)
づき
向
(
むこう
)
の方へコロ/\と転がって、甚藏はボサッカの用水の中へ転がり落ちたから、此の間に逃げようとする。又
後
(
うしろ
)
から
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
おかしなことだ、啓三も口で云っているのとは反対に、仕事はいつも
躓
(
つま
)
ずきを繰り返している。
ばちあたり
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
左手に
赤城
(
あかぎ
)
、
榛名
(
はるな
)
の山を眺め、あれが赤城の地蔵岳だの、やれあれが
伊香保
(
いかほ
)
の何々山だのと語りながら馬を進ませたが、次第に路が
嶮岨
(
けんそ
)
になって、馬が
躓
(
つま
)
ずいたり止まったりすると
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
己
(
おら
)
ア泥坊だと思って泥坊々々とがなると、
突然
(
いきなり
)
脇差を引抜いて
追掛
(
おっか
)
けて来たから、逃げべいとすると木の根へ
躓
(
つま
)
ずき、
打転
(
ぶっころ
)
がると、己の上へ乗し掛り殺すべえという訳だ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
躓
漢検1級
部首:⾜
22画
“躓”を含む語句
蹴躓
蹉躓
御躓
磋躓
蹶躓
躓石
躓跌