“葛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くず70.1%
かずら14.0%
かづら4.7%
かつら3.7%
くづ2.8%
かつ1.9%
つた1.9%
カツラ0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
壁にはつたくずがはい茂り、庭は雑草にうずもれて、秋でもないのに、さながら秋の野のように草ぶかく荒れはてた家の様子であった。
彼らの学問は恐らく地に這うかずらのように広く拡ることができても、天に向って雄々しく伸びてゆくことができないであろう。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
この女神は日蔭ひかげかづらを襷にかけ、正木まさきかづらの鉢卷をして、笹の葉を手に持ち、足拍子を取りながら扉の前で踊り出すといふ滑稽さであつた。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
高さ五けん以上もある壁のような石垣いしがきですから、私は驚いて止めようと思っているうちに、早くも中ほどまで来て、手近のかつらに手が届くと
春の鳥 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
とづいとつと、逆屏風さかさびやうぶ——たしかくづかぜみだれたの、——はしいて、だん位牌ゐはい背後うしろを、つぎふすまとのせまあひだを、まくらはうみちびきながら
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
諸葛という姓は初めは「かつ」という一字姓だったかも知れない。諸国を通じての漢人中にも、二字姓は至ってまれである。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
海辺に近く住む猟師の娘で、おつたという愛嬌のある評判娘がある。お葛は小学校時分から清吉とは同級生であった。
蝋人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天の八十蔭(天の御蔭・日の御蔭)葛根ツナネなど言ふのは、皆屋の棟から結び垂れたカツラの縄である。やはり、室ほぎに胚胎した。其長いところから、生命の長久のほかひに使はれて居る。
国文学の発生(第二稿) (新字旧仮名) / 折口信夫(著)