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葛
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かずら
ふりがな文庫
“
葛
(
かずら
)” の例文
彼らの学問は恐らく地に這う
葛
(
かずら
)
のように広く拡ることができても、天に向って雄々しく伸びてゆくことができないであろう。
語られざる哲学
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
大谷吉継が予見したように、臨津江の氷は半ば融けかかって居たので、柳成竜工夫して
葛
(
かずら
)
をもって橋をかけたので、大軍間もなく坡州に入った。
碧蹄館の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
どこかを行く渓流は、とどろの
谺
(
こだま
)
を呼んで
物凄
(
ものすさ
)
まじい。老木のつた
葛
(
かずら
)
は千条の
黒蛇
(
こくだ
)
に見える。人の足音に驚いて
跳
(
と
)
ぶ
氈鹿
(
かもしか
)
。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それが
葛
(
かずら
)
のからんだ小門からであろうと、粗石がただ一つころがされた目じるしの門からであろうと、あらゆる道が
両輪:創造と評論活動の問題
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
久太夫
葛
(
かずら
)
を用ゐて
之
(
これ
)
を縛り、村里へ引出し、燈をとぼして之を見るに髪長く膝に
垂
(
た
)
れ、面相全く女に似て、その荒れたること絵にかける
夜叉
(
やしゃ
)
の如し。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
▼ もっと見る
水莽
(
すいぼう
)
という草は毒草である。
葛
(
かずら
)
のように蔓生しているもので、花は
扁豆
(
へんとう
)
の花に似て紫である。もし人が誤って食うようなことでもあるとたちどころに死んだ。
水莽草
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
岩に
躓
(
つま
)
ずき、
葛
(
かずら
)
に引っからまり、山中をかけずり回り、身体綿のごとくなってへたばる。兎は遂に行方不明。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
そしてジャックリーヌも彼と同じく一生懸命になって、他のあらゆる生存の理由を破壊せんとし、愛の
葛
(
かずら
)
を支持し生かしてる生の樹木を枯らさんとしていた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
ごつごつした岩の崖で、
何十丈
(
なんじゅうじょう
)
というほど高いのです。爺さんはあちらこちら見廻してみて、ようやく一本の
葛
(
かずら
)
を見つけ出し、それにすがっており始めました。
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
船檝
(
ふねかじ
)
を具え飾り、さな
葛
(
かずら
)
という蔓草の根を臼でついて、その汁の
滑
(
なめ
)
を取り、その船の中の
竹簀
(
すのこ
)
に塗つて、蹈めば
滑
(
すべ
)
つて仆れるように作り、御子はみずから布の衣裝を著て
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
彼は自分の実質で生きるだけの養液をもっていなかった。彼は
葛
(
かずら
)
であって他物にすがらなければならなかった。自分を投げ出してるときがもっとも充実していた。
ジャン・クリストフ:09 第七巻 家の中
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
山道からふと見ると、百姓らしい男や女が幾人か、背に荷を負い、
藤蔓
(
ふじづる
)
にしがみつき、あるいは
葛
(
かずら
)
にとびついたりして、山を越えてゆく姿が張飛の眼にとまった。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雑木
(
ぞうき
)
と岩の間に人の通った
径
(
こみち
)
のような処があったり、そうかと思ってそれを往ってみると、
荊棘
(
いばら
)
や
葛
(
かずら
)
がそれを
塞
(
ふさ
)
いでいたりした。二人は時どき立ち止まって足場を考えてからあがって往った。
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかもその部屋の広さが限りない上に、
燈火
(
ともしび
)
の光もなく、何の飾りもなく、
足下
(
あしもと
)
にはじゅうたんのかわりに、名も知れぬ
気味
(
きみ
)
悪い
葛
(
かずら
)
や
茨
(
いばら
)
が、積もり積もった
朽葉
(
くちば
)
や
枯枝
(
かれえだ
)
の上にはいまわっています。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
人の周囲に
葛
(
かずら
)
のように伸び出してるひどい子供たち! 人を押しやり追い払ってるその自然の力!……
ジャン・クリストフ:12 第十巻 新しき日
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
すると、「おーう」というほえるような声が一つ、森の唸り声の中から
一際
(
ひときわ
)
高く聞こえてきました。王子はもう命がけになって、その声の聞こえた方へ、
茨
(
いばら
)
や
葛
(
かずら
)
の中を踏み分けて進んでゆきました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
書き終えて立ち去らなければならないときになって——すでに墓から三、四歩遠ざかったときに——彼はふと思いついて、またもどって来、その手帳を
葛
(
かずら
)
の下の草の中に埋めた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
何しろ誰もはいったことのない山の森で、昼でさえその中はまっ暗なほどおい茂っていて、
枯枝
(
かれえだ
)
朽葉
(
くちは
)
の積もり積もった上に、
茨
(
いばら
)
や
葛
(
かずら
)
がはい廻っていて、いくら象でもなかなか上って行けませんでした。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
皮肉や逸楽のあらゆる武器を用いた。欲望や
細々
(
こまごま
)
した心労の
葛
(
かずら
)
で彼をからめた。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
“葛”の意味
《名詞》
(くず)マメ科のつる性の多年草。根を用いて食品の葛粉や漢方薬が作られる。秋の七草の一つ。
(出典:Wiktionary)
“葛(クズ)”の解説
クズ(葛󠄀、学名: Pueraria lobata subsp. lobata)は、マメ科クズ属のつる性の多年草である。日本では、根を用いて食材の葛󠄀粉や漢方薬が作られ、花は万葉の昔から秋の七草の一つに数えられている。
(出典:Wikipedia)
葛
常用漢字
中学
部首:⾋
12画
“葛”を含む語句
葛城
葛藤
葛飾
葛布
葛原
葛野
葛蘿
葛蔓
蔦葛
葛湯
諸葛亮
諸葛
葛城山
葛飾郡
葛葉
蔓葛
葛籠
葛西
諸葛孔明
古葛籠
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