“黒蛇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くろへび50.0%
こくだ16.7%
くろくちなわ16.7%
くろじゃ16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あたまつてつたほのほ大蛇おろちは、黒蛇くろへびへんじてあまつさ胴中どうなかうねらして家々いへ/\きはじめたのである。それからさらつゞけ、ひろがりつゝちかづく。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二百ぢかい手下が、銅鑼どらや太鼓を鳴らし、柵門さくもんで一度、わあっと気勢をあげた。そしてたちまち、一列の黒蛇こくだとなって麓の方へ沈んでいった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だらりと垂れた舌から、黒い血、いや、黒蛇くろくちなわを吐いたと思って、声を立てたが、それはあごのまわりをかけて、まっすぐに小草に並んで、羽を休めたおはぐろ蜻蛉の群であった。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藤子は軽い雨のなかを、黒蛇くろじゃの目をさして、四角よつかどに待っていた。彼女は久しく庸三のところへ出入りしている美貌びぼうの未亡人で、いつも葉子に関する庸三の話のよきき手の一人であった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)