“美貌”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びぼう93.0%
びばう3.9%
うつくし0.8%
きりょう0.8%
きりよう0.8%
きれい0.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
船から車に乗り移るころにようやく朝日が上って、ほのかに見ることのできた源氏の美貌びぼうに入道は老いを忘れることもでき、命も延びる気がした。
源氏物語:13 明石 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そして畸型の醜女しこめの代りにアキの美貌びぼうに思いついた満足で私の好色はふくらみあがり、私は新たな目的のために期待だけが全部であった。
いずこへ (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
宗右衛門の幸福は、巨万の富を一代にかち得たばかりで満足出来なくて、あの春秋を一時にあつめた美貌びぼうを二人まで持つたと人々はうらやんだ。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
たけなるかみをうしろにむすびて、ふりたるきぬになえたるおびやつれたりとも美貌びばうとはにもゆるすべし
軒もる月 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
彼女が以前は綺麗だつたとはとても考へられないが、でも若しかしたら彼女には美貌びばうをもつてゐない不足をつぐなふやうな獨創性や性格の力があるのかも知れない。
横顔などは丁度トランプの王様などに見るやうな、クラシックな美貌びばうの線がなめらかに其の額へと上つてゐた。
煤煙の匂ひ (新字旧仮名) / 宮地嘉六(著)
それは何ういう女かというに、神戸の貿易商の令嬢とかいうことで、神経療養の目的を以て高原の空気を呼吸するために書生や女中を幾人か連れて夏頃から此町へ来ているのであったが、美貌うつくしさと贅沢さと交友の雑多な事とで、謎の女視されているのであった。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
年頃は三十をなかばほどとは考えさせるが、つくろわねど、この美貌きりょうゆえ若くも見えるのかも知れない。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
それがむつくり小高うて、栄耀に凝つた細工もの、手で拵らえたか何ぞのやうに、器用に出来たその尖頭さきには、得てして、天狗が引掛り、果ては世上の笑柄わらひもの美貌きりようが仇でござんする。
移民学園 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
「そうでない、胴を離れたお通の首を見てからじっと考えてみるがよいわさ。美貌きれいがなんじゃあ……美しい女子おなごも死ねば白骨……色即是空しきそくぜくうを目に見せて進ぜよう」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)