“きりょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
容貌40.2%
縹緻24.7%
容色19.2%
器量7.3%
綺倆1.8%
標致1.2%
縹致1.2%
姿容0.6%
姿色0.3%
嫖致0.3%
(他:10)3.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
これはお冬にもして美しい容貌きりょうですが、どこか病身らしく、日蔭の花のようにたよりない娘です。年の頃は十八九。
浪人ながらも武士の子で、容貌きりょうが美しくて、行儀が好くて、親孝行であるという以上、嫁として申し分のない娘である。
半七捕物帳:49 大阪屋花鳥 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
本当に図々しい、不人情ならばとにかく、あの若さで、あの縹緻きりょうだから、相当に納まっているはずなのに、それができない。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「身装もいいし、縹緻きりょうい。まさか、野天の辻野郎でもあるまいに、何だッて今頃まで、町をうろついているんだい」
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その手に日傘をさした下町のむすめ風、服装みなりより容色きりょうの目立つのが一人、馬車新道へ入って来たことがあろう
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
容色きりょうを生命とする女の身になったら、ほとんど堪えられないさびしみが其所そこにあるに違ないと健三は考えた。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小町 ええ、ちょうど同じくらいです。ただ綺麗きれいではありませんが、——器量きりょうなどはどうでもかまわないのでしょう?
二人小町 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
熊笹を、カサコソと踏みわけながら闇の中から出て来たのは、二十四五の、それこそ、水の垂れるような器量きりょうよし。
おまけにそのお嬢さんというのは、今までに見た事もない、何ともかんとも云えない美しい綺倆きりょうだと云うんだ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
御自分たちの御綺倆きりょうと、学校の成績ばかりを一所懸命に争ってお出でになる方には、私が何となく劣等な、片輪者のように思われたのでしょう。
少女地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もう年が年でもあるし、小柄な、痩せた、標致きりょうも、よくない女であったが、あゝ、それを思うと、一層みじめなような気がする。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
斯うして見れば年も三つ四つ老けて案外、そう標致きりょうも好くないなあ! と思った。
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
あの通り縹致きりょうはいいし、それに読み書きが好きで、しょっちゅう新聞や小説本ばかりのぞいてるような風だから
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「およしよ、からかうのは。私のようなこんな気の利かないお多福でなしに、縹致きりょうなら気立てなら、どこへ出しても恥かしくないというのを捜して上げるから、ね、今から楽しみにして待っておいでな」
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
楚に薛崑せつこんという者があった。小さい時からりこうで、姿容きりょうがよかった。六つか七つの時、青いきものを着た婆さんが来て、
青蛙神 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
拙者がまだ当地へ参らぬ以前のこと、伊勢の国の大神宮へ参拝致した、その途中、かのあいやまと申すところに、名物のお杉お玉と申すものがおって、三味をいて歌をうたい、客の投げ与うる銭を乞うていた、そのお杉お玉両女のうち、お玉と申すのがことのほか姿容きりょうがよい、それによく間の山節という歌をうたい申す、拙者も旅の徒然つれづれに、右のお玉を旅宿にんで歌を聞き申した、なるほど姿はひなに珍らしい、その歌も哀れに悲しい歌で涙を催した。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
娘の親は失礼な、なにこの姿色きりょうなら、ゆくゆくは「立派な官員さん」でも夫に持ッて親に安楽をさせることで有ろうと云ッて
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
娘というはお勢に一ツ年下で、姿色きりょうは少し劣る代り、遊芸は一通り出来て、それでいて、おとなしく、愛想あいそがよくて、お政に云わせれば、如才の無いで、お勢に云わせれば、旧弊なむすめ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
遊芸をみっちり仕込んだ嫖致きりょうの好い姉娘は、芝居茶屋に奉公しているうちに、金さんと云う越後産の魚屋と一緒になって、小楽に暮しているが、爺さんの方へは今は余り寄りつかないようにしている。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
女は華やかに化粧をしていたが、その容光きりょうが人を照らすほどであった。
翩翩 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
取りたてていうほどの容姿きりょうではなかったが、一寸印象を与える顔立だった。
反抗 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「お前さんのような才貌きりょうで、なぜ十七になるまでお嫁さんをもらわないね。嬰寧もまだ約束もないし、まことに良い似合だが、惜しいことには身内という、かかわりがあるね。」
嬰寧 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
さてその紳士その美人を娶れば娶り得るはずだったが、利に走る世の習い、その美人よりも富んでさほどの標緻きりょうを持たぬ女をめとったとは、歎息のほかなし。
かれ十二分の標緻きりょうなしといえども持操貞確、つくえを挙げて眉にひとしくした孟氏のむすめ、髪を売って夫をたすけた明智あけちの室、筆を携えて渡しに走った大雅堂の妻もこのようであったかと思わるる。
やはり秀八のずば抜けた緻容きりょうと、きゃんな辰巳肌のうちに、どことなく打ちしめっているやつれの美しさが、通船楼で見た時から受けたつよい魅力であった。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
打見うちみところ年齢とし二十歳余はたちあまり、かお丸顔まるがおほうで、緻致きりょうはさしてよいともわれませぬが、何所どことなく品位ひんいそなわり、ゆきなす富士額ふしびたいにくっきりとまゆずみえがかれてります。
年頃は三十をなかばほどとは考えさせるが、つくろわねど、この美貌きりょうゆえ若くも見えるのかも知れない。
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
「いいや、そうで無いよ。お前の様な美顔きりょうで、心立こころだての好い者は、どのくらい武家の方で満足に思うか分らない」
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
すっきり端然しゃんと構えたる風姿ようだいといい面貌きりょうといい水際立ったる男振り
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
禁厭まじない祭祝さいしゅく祓除はらいよけ、陰陽道、物忌ものいみ鬼霊きりょう占筮せんぜいなど、多様な迷妄の慰安をもたなくては、生きていられない上流層の人々だった。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)