“侠”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きゃん40.6%
きやん29.0%
いなせ13.0%
きょう7.2%
いさみ2.9%
きおい2.9%
いき1.4%
いな1.4%
きや1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
藍微塵あいみじんあわせに、一本独鈷どっこの帯、素足に雪駄せったを突っかけている。まげの形がきゃんであって、職人とも見えない。真面目に睨んだら鋭かろう。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二十二三でせうが、存分におきやんで此上もなく色つぽくて、素顏に近いほどの薄化粧が、やけな眼隱しにくづれたのも、言ふに言はれぬ魅力です。
西の内二枚半に筆太に、書附けたる広告の見ゆる四辻よつつじへ、いなせ扮装いでたちの車夫一人、左へ曲りて鮫ヶ橋谷町の表通おもてどおり、軒並の門札かどふだを軒別にのぞきて
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
父祖このかた、美濃の斎藤家とは、たすけ合ってきた仲だ。野武士とて義はかたい。いやむしろ義ときょう然諾ぜんだくの風を重んじることは、乱世の武門よりまさっている。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
月代さかやき真青まっさおで、びんの膨れた色身いろみな手代、うんざり鬢のいさみが一人、これがさきへ立って、コトン、コトンと棒を突く。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
本名は誰も知らない、何をして暮すのか、ただ遊んで、どこともわず一群ひとむれ一群入り込むきおい壮佼わかものに、時々木遣きやりを教えている。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いまは、いきなつくりの夢八姐さん。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
何と気を変えたか、宗匠、今夜は大いにいなって、印半纏しるしばんてんに三尺帯、但し繻珍しゅちん莨入たばこいれ象牙ぞうげの筒で、内々そのお人品ひとがらな処を見せてござる。
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
くりかへむかしのゆかりもてがたく、ひきつヾいて行通ゆきかひしけるが、るにもくにも可愛想かあいさうなりのどくなり、これがしもおきやむすめびかへりなどならばらぬことといはヾかどほかをも
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)