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きやん
ふりがな文庫
“
侠
(
きやん
)” の例文
二十二三でせうが、存分にお
侠
(
きやん
)
で此上もなく色つぽくて、素顏に近いほどの薄化粧が、やけな眼隱しに
崩
(
くづ
)
れたのも、言ふに言はれぬ魅力です。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そして恐る/\
卓子
(
テーブル
)
の下を覗き込んで見ると、自分が
調弄
(
からかひ
)
気味
(
ぎみ
)
にそつと触つたのは、おとなしい姉娘のと思ひの外、お
侠
(
きやん
)
な妹娘の足であつた。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
お
侠
(
きやん
)
の本性は瀧つ瀬の流に似て、心の底に停るもの無しと見えしはあだなれや。扨も是の道だけは思の外の美登利。
一葉女史の「たけくらべ」を読みて
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
一體に
侠
(
きやん
)
なとりなり——
侠
(
きやん
)
とはフラツパーとはいささかちがふ。侠氣をもつ、ハツキリとしてゐる。
下町娘
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
父母
(
ちゝはゝ
)
そろひて
家
(
いゑ
)
の
内
(
うち
)
に
籠
(
こも
)
り
居
(
ゐ
)
にても
濟
(
す
)
むべき
娘
(
むすめ
)
が、
人目
(
ひとめ
)
に
立
(
た
)
つほど
才女
(
さいじよ
)
など
呼
(
よ
)
ばるゝは
大方
(
おほかた
)
お
侠
(
きやん
)
の
飛
(
と
)
びあがりの、
甘
(
あま
)
やかされの
我
(
わが
)
まゝの、つゝしみなき
高慢
(
こうまん
)
より
立
(
た
)
つ
名
(
な
)
なるべく
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
此時鶴子さんの眼には自分の顏が何處となく
侠
(
きやん
)
に見える。いつか惚れ/″\と見た洗ひ髪の藝者の姿を思ひ出して又自分の影に眺め入る。細君はいつの間にかもう梳櫛を取つて空梳を始める。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
侠
(
きやん
)
なるむだづかひの終りに
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
この陽氣でお
侠
(
きやん
)
な女の一皮下には、妙な悲劇的な
情緒
(
じやうちよ
)
のあるのを、平次はまざ/\と見せ付けられたやうな氣がしたのです。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人は怪しがりて病ひの
故
(
せい
)
かと危ぶむも有れども母親一人ほほ笑みては、今にお
侠
(
きやん
)
の本性は現れまする、これは中休みと
子細
(
わけ
)
ありげに言はれて、知らぬ者には何の事とも思はれず
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
盛り場の女などが
奴風
(
やつこふう
)
をするやうになり、奴
氣質
(
かたぎ
)
を賣りものにしたが、それは
侠
(
きやん
)
で、パリ/\とした、いい氣つぷ、ものに拘はらない、金に轉ばないといふたてまへで江戸藝者など
凡愚姐御考
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「使ひに來たのはお紋でした。可哀想にあの娘も殺されてしまひましたが、お
侠
(
きやん
)
で、明けつ放しで、滅法可愛らしくて、人に物を頼んで嫌と言はせない娘でしたよ」
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
人
(
ひと
)
は
怪
(
あや
)
しがりて
病
(
やま
)
ひの
故
(
せい
)
かと
危
(
あや
)
ぶむも
有
(
あ
)
れども
母親
(
はゝおや
)
一人
(
ひとり
)
ほゝ
笑
(
ゑ
)
みては、
今
(
いま
)
にお
侠
(
きやん
)
の
本性
(
ほんしよう
)
は
現
(
あらは
)
れまする、これは
中休
(
なかやす
)
みと
子細
(
わけ
)
ありげに
言
(
い
)
はれて、
知
(
し
)
らぬ
者
(
もの
)
には
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
とも
思
(
おも
)
はれず
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
そこにゐる時分は黄八丈の着附できりりとしてゐたといふが、人情本にのこる小三金五郎で有名な、
額
(
がく
)
の小三の名をとつて、
小川
(
をがは
)
小三といふ藝名で出た位だから、
侠
(
きやん
)
だつたに違ひない。
河風
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
我儘で少しお
侠
(
きやん
)
で、そして出來立ての糝粉細工のやうに綺麗だつたお喜代に
比
(
くら
)
べて、平凡で世間並で、何んの魅力もないお百合は、あまりにも冴えない跡取りだつたのです。
銭形平次捕物控:231 鍵の穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
格別利發ともはげしいとも人は思ふまじ、父母そろひて家の内に籠り居にても濟むべき娘が、人目に立つほど才女など呼ばるゝは大方お
侠
(
きやん
)
の飛びあがりの、甘やかされの我まゝの
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
巽巳藝妓
(
たつみげいしや
)
の
侠
(
きやん
)
な名や、戲作者
爲永春水
(
ためながしゆんすゐ
)
述るところの「
梅暦
(
うめごよみ
)
」の色男丹治郎などは、つい先頃までの若者を羨ましがらせた
代物
(
しろもの
)
だ。その狹斜が生んだ、江戸末期的代表デカタンが丹治郎だ。
花火と大川端
(旧字旧仮名)
/
長谷川時雨
(著)
お屋敷風とも町家風とも付かぬ、十八九の賢さうな
瓜實顏
(
うりざねがほ
)
、何處かお
侠
(
きやん
)
なところはありますが、育ちは良いらしく、相應に美しくも可愛らしくもあるうちに何となく品があります。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
格別利発ともはげしいとも人は思ふまじ、父母そろひて家の内に
籠
(
こも
)
りゐにても済むべき娘が、人目に立つほど才女など呼ばるるは大方お
侠
(
きやん
)
の飛びあがりの、甘やかされの我ままの
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お絹は始終うつ向いて、默り込んで居りますが、それは町娘らしい、お
侠
(
きやん
)
と柔順さと、賢こさと無智と、矛盾した性格を
巧
(
たく
)
みにあしらつた、まことに愛すべき存在らしく見えました。
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今にお
侠
(
きやん
)
の本性は現れまする、これは中休みと
子細
(
わけ
)
ありげに言はれて、知らぬ者には何の事とも思はれず、女らしう温順しう成つたと褒めるもあれば折角の面白い子を種なしにしたと誹るもあり
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
不思議な美しを持つた娘——お
侠
(
きやん
)
で柔順で、賢こくて無智で、顏の道具の揃はないのが、
反
(
かへ
)
つて一種の魅力になつてゐた矛盾だらけな江戸娘は、自分を
害
(
あや
)
めた者の名も言はずに、一刻々々
銭形平次捕物控:233 鬼の面
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
成程桃色の
啖呵
(
たんか
)
位は切りさうなお
侠
(
きやん
)
な娘です。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは又恐しいお
侠
(
きやん
)
で
銭形平次捕物控:113 北冥の魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
侠
漢検準1級
部首:⼈
8画
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侠気
侠客
義侠
侠氣
侠勇
義侠心
任侠
仁侠
侠客肌
侠者
豪侠
勇侠
侠名
侠賊
侠客伝
侠客気
剣侠
侠骨
義侠的
侠児
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