“大方”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おおかた55.9%
おほかた35.3%
おおがた1.8%
たいはう1.8%
だいほう1.2%
たいほう1.2%
おうかた0.6%
おゝかた0.6%
だいぶ0.6%
をゝかた0.6%
タイハウ0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今わが家蔵かぞうの古書法帖ほうじょうのたぐひその破れし表紙切れし綴糸とじいと大方おおかたは見事に取つぐなはれたる、皆その頃八重が心づくしの形見ぞかし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
駕籠舁どもは大いにわらひコレ旦那だんなどうした事をいひなさる此道中は初めてと見えるゆゑ夫リヤア大方おほかた此宿の者が御客をつるつもりの話しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
炉端で草餅を摘みながら主人に山のことをただした。土地では毛無山の名を知らない、大方おおがた山と呼んでいる。恐らく毛無という名は測量部の称呼であろうとのことであった。
春の大方山 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
大方たいはうの同情を以て、見のがして置いて頂きたい。あまり恥しいのは、却て何時か、書き直す衝動をつくることになり相に思ふ。
古代研究 追ひ書き (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「おれは黄巾の残党、大方だいほう裴元紹はいげんしょうというものだ。この山中を無事に越えたいと思うなら、その赤兎馬をくれてゆけ」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すべて狸一派のやり口は今日こんにち開業医の用いておりやす催眠術でげして、昔からこの手でだいぶ大方たいほうの諸君子をごまかしたものでげす。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
さりとてるくぎてはこまれど過不及くわふきふとりかぢはこヽろ一つよくかんがへて應用おうようなされ、じつところ出立しゆつたつ明後日あさつて支度したく大方おうかた出來できたれば最早もはやにかヽるまじく隨分ずゐぶん身躰からだをいとひてわづらひ給ふな
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
もう大丈夫と気を許したのが悪かったのだ。大方おゝかた女は、男にどれほどの熱意があるかを試してみようとしたのであろう。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これにはクックしや桑港支社長さうかうししやちやうストークスくんやら、朝日新聞社あさひしんぶんしや桑港特派員さうかうとくはゐん清瀬規矩雄君きよせきくをくんなどが便乗びんじようしてたので、陸上りくじやう模様もやう明日あす見物けんぶつ次第しだいなどをかたつて、大方だいぶにぎやかになつてた。
検疫と荷物検査 (新字旧仮名) / 杉村楚人冠(著)
御可憐おかはいさうなは信太郎とやら云ふ御子おこどすえなー、大方をゝかた其女そのあまに毎々/\、いぢめられてやはりなはつたでしやろ、わたしうちとなりにも貴女あなた継子まゝこがありましてなー
夜汽車 (新字旧仮名) / 尾崎放哉(著)
之を読み了へて下さつた大方タイハウの人々、延若の才能、或点では天才的でもあつた彼の素質を、此歌舞妓及び彼自身の末日の今において、思ふ限り伸べさせる望みをお起しにならないだらうか。
実川延若讃 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)