大方たいほう)” の例文
すべて狸一派のやり口は今日こんにち開業医の用いておりやす催眠術でげして、昔からこの手でだいぶ大方たいほうの諸君子をごまかしたものでげす。
琴のそら音 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
意外にも奇怪千万せんばんなる寃罪えんざいの因となりて、一時妾と彼女と引き離されし滑稽談こっけいだんあり、当時の監獄の真相をつまびらかにするの一例ともなるべければ、今その大概を記して、大方たいほうの参考に供せん。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)