“質”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たち54.0%
ただ22.6%
しち7.2%
たゞ3.7%
しつ3.3%
たず2.6%
ち1.4%
かた0.9%
たづ0.7%
だち0.5%
タチ0.5%
さが0.4%
もの0.4%
き0.2%
つき0.2%
うまれ0.2%
きじ0.2%
すじ0.2%
ものしろ0.2%
クオリティ0.2%
シチ0.2%
タダ0.2%
ヱエゼン0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕はかわいい顔はしていたかも知れないが体(からだ)も心も弱い子でした。その上臆病者(おくびょうもの)で、言いたいことも言わずにすますような質(たち)でした。
一房の葡萄 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
妙子に質(ただ)してみないことには、彼女がどう云う考でそんなことを云っているのか諒解に苦しむ点が多いのであったが、それは兎(と)に角(かく)
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
賣(うり)に參らんと今(いま)質(しち)より受出して來たる衣服(いふく)并(ならび)に省愼(たしなみ)の大小を帶(たい)し立派なる出立(いでたち)に支度なして居たる處へ同じ長家に居る彼張子(かのはりこ)の釣鐘(つりがね)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
パエトン即ち母の許に行き己が父の果して日の神なるや否やを質(たゞ)せり(オウィディウスの『メタモルフォセス』一・七四八以下參照)
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
因つて知る、武は猶質(しつ)のごとく、文は則ち其の毛彩(まうさい)にして、虎豹(こへう)犬羊の分るゝ所以なるを。今の文士、其れ武事を忘る可けんや。
「おかみさん、やはり今日郷土に帰りやすかね」と質(たず)ねたところ、彼女はううんと首を振ったそうで、このことからみただけでも
親方コブセ (新字新仮名) / 金史良(著)
柳営で高時から難題を出された日も、また出陣の朝、千寿王を質(ち)として残してきたときも、こうまで情愛のうろたえは覚えなかった。
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それを質(かた)に伊賀屋から幾らか借り出そうとして、仏事の晩にそれを厨子(ずし)に納めて持ち込んだのですが、ほかに大勢の人がいたので云い出す機(おり)がなくって一旦は帰ったのです。
半七捕物帳:25 狐と僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は一番懇意な、又一番信頼してゐる遊び仲間に、彼の眼が牝牛の眼に似てゐるといふのは、ほんたうかどうかを質(たづ)ねて見た。しかし彼は誰からも慰めの言葉を受けなかつた。
翻訳小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
唐桟(たうざん)揃ひの淡泊(あつさり)づくりに住吉張の銀煙管おとなしきは、職人らしき侠気(きほひ)の風の言語(ものいひ)挙動(そぶり)に見えながら毫末(すこし)も下卑(げび)ぬ上品質(だち)、いづれ親方〻〻と多くのものに立らるゝ棟梁株とは
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「だつてね、太つたくせに顔の陰が尖るつて質(タチ)の女は一度ツンとすると其の後はもう理由(ワケ)もなしにツンとし通すものだから……」
分らないもの (新字旧仮名) / 中原中也(著)
我は第三の獄(ひとや)にあり、こは永久(とこしへ)の詛ひの冷たきしげき雨の獄なり、その法(のり)と質(さが)とは新なることなし 七—九
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ちょうどその日は樽(たる)の代り目で、前の樽の口のと異(ちが)った品ではあるが、同じ価(ね)の、同じ土地で出来た、しかも質(もの)は少し佳(よ)い位のものであるという酒店(さかや)の挨拶(あいさつ)を聞いて
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
此返事(このへんじ)を聞(き)いて、むつと腹(はら)が立(た)つた。頭巾(づきん)の下(した)に歯(は)を剥出(むきだ)して、血色(けつしよく)の好(い)い頸元(えりもと)に伸(の)し掛(かゝ)ると向(むかう)は後退(あとすざり)もしない。また質(き)いて見(み)た。
見れば昔し由縁(よし)ある人なる可し親子の立擧動(たちふるまひ)尋常(じんじやう)ならず親は篤實(とくじつ)面(おもて)に顯(あらは)れ娘は孝行自然(しぜん)と知れまた容貌も勝(すぐ)れたれば忠兵衞ほと/\感心(かんしん)なし主個(あるじ)の方(かた)のうち向ひお見申せばお宅樣(たくさま)はお二個限(ぎり)にてお孃樣(ぢやうさま)は失禮(しつれい)ながら美麗(うつくし)きお生れ質(つき)にて御座りますが定めしお婿樣(むこさま)を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そを何ぞといふに、影を顧みて自ら喜ぶ性(さが)ありて、難きを見て屈せざる質(うまれ)なきこと是なり。そもこの弱點はいづれの處よりか生ぜし。
譬えば鍍金(めっき)せるものの角々に真の質(きじ)の見(あらわ)るるが如しなどおもう折しも、按摩(あんま)取りの老いたるが入り来りたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
置いて出て歩いては困りますね、本当に何様(どんな)に捜したか知れない、時にお気の毒様なこと、お前さんの留守に師匠はおめでたくなってしまったが、何(ど)うも質(すじ)の悪い腫物(できもの)だねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そしてここに十七章三節において「願(ねがわ)くは質(ものしろ)を賜うて汝(なんじ)みずから我の保証(うけあい)となり給え、誰か他(ほか)にわが手を拍(う)つ者あらんや」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
私は現代の傾向を要約して「量(コンティティ)」であると云ひたい。群衆と群集精神とは随所にはびこつて「質(クオリティ)」を破壊しつつある。
少数と多数 (新字旧仮名) / エマ・ゴールドマン(著)
母ハ我ガ胎(ハラ)ナリ、胎ハ我ガ身命ノ基(モト)ナリ。一命元ヨリ君家ニ託(タク)セド、君家未ダ兵馬ノ命ヲ発セズ、猶一日ノ無事アルヲ窺(ウカガ)ヒ、即チ、質(シチ)ノ母ヲ偸(ヌス)ミ、御辺ノ義ヲ欺(アザム)ク。罪大ナレド、非義ヲ咎(トガ)ム勿(ナカ)レ。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊豆相模ノ境目(サカヒメ)ニアル城ナドニモ、何カト訊ネ質(タダ)シ給ヒ、由井(ユヰ)ノ磯浪(イソナミ)袖(ソデ)ヌレテ、ココニ興津(オキツ)ノ白浪ヤ、田子ノ浦浜、三保ヶ崎、三保ノ松原羽衣(ハゴロモ)ノ名所名所ニ御心ヲツケラレ、江尻ノ南、久能(クノウ)ノ城
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
以て自家の主義の擴大(ゲネラリジイレン)せらるゝを避け、以て詩の質(ヱエゼン)と詩人の技倆とを直評するに至るを免れむとするものなり。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)