たず)” の例文
「おかみさん、やはり今日郷土に帰りやすかね」とたずねたところ、彼女はううんと首を振ったそうで、このことからみただけでも
親方コブセ (新字新仮名) / 金史良(著)
黙れッ! ただいま玄関においても、余の生命をたずぬる声が致したようだが、今また、そのほうまで、まだ生きておってよかったと申す。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
試験の日、そこで娘さんが、「賑やかなところへは何処へ行きましたか?」と試験官にたずねられて、素直に「銀座へ行きました」と答える。
新入生 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
最初は独逸ドイツ語で尋ね、次は自分でこれを御自慢の仏蘭西フランス語に訳してたずねてみたが、二人にはとんと解せぬのであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
そして最後にうるさくてたまらぬ程になったので、ドクタア・マレーが日本語で、何がほしいのだと叱るようにたずねたら、彼女はその意味を悟って向うへ行った。
今度は「善き師よ、神の国に入るためには、我何をなすべきか」とおたずねするはずでありました。
アノ羽根を突くのをよく/\聞いて見ますれば、あれは蚊に喰われないまじないだと申しました方がございますから、どういう訳かとたずねましたらば、子守がおぶいまして
大きに話が違うので出かけて行き「お墓参りはあなた一人ではないのですか」とたずねると
「お答えは、一行で足りましょう。——おたずねの御意中は明白ですから」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、帆村が率直にたずねると、カオルは泪に泣きぬれた白い面をあげて
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
私は自分がどうなっているのか判らないけれどもとたずねたら、もうこのままでいいんでしょうということでした。
「親方、わっしらの往くとこあ、台湾ちゅうとこかのずっと先かえ?」タオルを首に巻いた男がたずねた。
親方コブセ (新字新仮名) / 金史良(著)
こんなおたずね事が書いてあるのだ。どう御返書をしたためたらよいだろう
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たずねましたが、まったく不要との御返事でした。」
元禄十三年 (新字新仮名) / 林不忘(著)
男は爺にか細い声で何処から来たのかとたずねた。目の鋭く色の蒼ざめた男だった。危かしい程ひょろ長い脚にはよれよれのバジがまつわりついていた。元三はぶるぶるふるえつつ何度も腰を折った。
土城廊 (新字新仮名) / 金史良(著)
それでいつか私はこうたずねたものである。
光の中に (新字新仮名) / 金史良(著)
それでせき込んでたずねた。
天馬 (新字新仮名) / 金史良(著)