“質物”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しちもつ55.6%
しつもつ22.2%
しちもの11.1%
しち11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
質物しちもつを持って来る客出入りに都合がわるいと考えましたから、上へあげて、久米之丞が話し出す用件を神妙に聞き終りました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
能々よく/\勘考かんがへ質物しつもつを貸て遣す程の懇意こんいなるをまさかに忍びこみ殺害せつがいは致すまじと思はるれど夫共彦兵衞に相違さうゐなきやと念を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
胴卷どうまきに入れてしつか懷中くわいちうにてしばり夫れより又土藏へ忍び入り質物しちものの中にていづれも金目なる小袖類を盜みとり風呂敷ふろしきに包みて背負せおひ傍邊かたへに在りし鮫鞘さめざやの脇差を腰にぶつこみ猶又拔足差足ぬきあしさしあし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若い女ばかり集まる処だからお秀の性質でもまさかに寝衣ねまき同様の衣服きものは着てゆかれず、二三枚の単物は皆な質物しちと成っているし、これには殆ど当惑したお富は流石女同志だけ初めから気が付いていた。
二少女 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)