“たち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タチ
語句割合
29.8%
16.9%
性質14.5%
太刀13.8%
9.3%
4.4%
3.8%
1.5%
0.6%
0.5%
大刀0.4%
性格0.4%
0.3%
0.2%
出発0.2%
0.2%
0.2%
気質0.2%
0.2%
0.1%
0.1%
0.1%
横刀0.1%
主人0.1%
生質0.1%
など0.1%
傔仗0.1%
品質0.1%
天賦0.1%
居館0.1%
性來0.1%
性分0.1%
性向0.1%
性情0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
木刀0.1%
氣質0.1%
0.1%
0.1%
発足0.1%
0.1%
種類0.1%
絵筋0.1%
0.1%
經過0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ややもすればたちの悪い私たちの馬は駈け出そうとするので、坂道の上に近づくと、わたしの心臓の動悸はいよいよ激しくなってきた。
揶揄やゆ一番した。ナカ/\たちが悪い。態〻わざわざ二流会社を志望する僕達は決して優秀でないから、くすぐったいような心持で顔を見合せた。
恩師 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼は又優良なとりの卵を孵化かへして、小作人たちの飼つてゐる古い、よぼ/\の、性質たちのよくないとりとたゞで取替へてやることを申出た。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
男は、樺桜かばざくら直垂ひたたれ梨打なしうち烏帽子えぼしをかけて、打ち出しの太刀たち濶達かったついた、三十ばかりの年配で、どうやら酒に酔っているらしい。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
苦労の中にもたすくる神の結びたまいし縁なれや嬉しきなさけたねを宿して帯の祝い芽出度めでたくびし眉間みけんたちましわなみたちて騒がしき鳥羽とば伏見ふしみの戦争。
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おとこおんな相違そういが、いまあきらかに袖子そでこえてきた。さものんきそうなにいさんたちとちがって、彼女かのじょ自分じぶんまもらねばならなかった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「しかしまたことによると、このたち擒人とりことなっている咲耶子を助けだそうという考えで、この甲府こうふ潜伏せんぷくしているようにも考える」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
されど彼等に罰を恐れざらしめんため、禍ひの爪たち少しくこゝを離るべし、我はこのまゝこの處に坐して 一〇〇—一〇二
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
百難たちて彼の進路を妨ぐるといえども彼の確信はごうも動くことなく、ついに麁粗そそながらも英国をして公義と平等とに基する共和国となすに至れり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
種々にたゞされける所さしも世にとゞろ明奉行めいぶぎやうの吟味故其言葉そのことば肺肝はいかん見透みすかす如くにて流石さすがの平左衞門も申掠る事能はずと雖も奸智かんちたけたる曲者くせものゆゑたちまち答への趣意を變じて其身のつみ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
その余の者は思い思いの半裸のすがた、抜身ぬきみ大刀たちを肩にした数人の者を先登に、あとは一抱えもあろうかと思われるばかりのひのきの丸太を四五人してかついで参る者もあり
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
成程智恵子は遊戯あそびなどに心を打込む様な性格たちでないと思つたので、お利代は感心した様に
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
これにて愚僧が犯せる罪科の跡は自然立消たちぎえになり候事とて、ほつと一息付き候ものゝ、実はまんまとわが身の悪事を他人に塗付ぬりつけ候次第に候間、日数ひかずたち候につれていよいよ寝覚ねざめあしく
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
彼女は自分のわきにその子を置いて、またたちもの板の前にすわった。そうして時々針の手をやめては、暖かそうにているその顔を、心配そうに上からのぞき込んだ。
道草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「オヤ! 細川先生、老先生は今東京へお出発たちになりました!」と呼吸いきをはずまして老僕は細川の前へ突立った。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
御身のうちにあるものは凡て茫漠として平板である。坦々たる平原のあいだにたちの低いまち々が、まるで点か記号のように突起しているだけで、何ひとつ人の眼を惹き、心を魅惑するものがない。
百樹曰、小千谷をぢやちなみにいふ、小千谷の岩居がんきよが家に旅宿せし時(天保七年八月)或日あるひふでとるうみ、山水の秋景しうけいばやとてひとりたちいで、小千谷の前に流るゝ川に臨岡のぞむをかにのぼり、用意したるしよをかく。
「それがが身の悪い気質たちじゃ。たんと駄々をいうて、この年老としとった母を困らせるがよいわ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暫時ざんじなりとも取外とりはずす儀はかなひ難し其故は聖護院宮樣みやさま御配下ごはいか天一坊樣御身分は當將軍吉宗公よしむねこうの未だ紀州公御部屋住おへやずみの時分女中に御儲おんまうけの若君にて此度このたび江戸表へ御下向ごげかうあり御親子ごしんし御對顏ごたいがんの上は大方おほかたは西の丸へなほらせらるべし左樣にかるからぬ御身分おみぶんにて徳川は御苗字ごめうじなりまたあふひ御定紋ごぢやうもんなり其方たちが少しもあんじるには
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ここに八十建に宛てて、八十膳夫かしはでけて、人ごとにたち佩けてその膳夫かしはでどもに、誨へたまはく、「歌を聞かば、一時もろともに斬れ」とのりたまひき。
やつこ降らずとも、もはらその國をことむけし横刀あれば、このたちを降さむ。
かれここに御合ひしたまひて、その御刀みはかしの草薙のたちを、その美夜受みやず比賣のもとに置きて、伊服岐いぶきの山三一の神を取りに幸でましき。
この時に當りて、その御髮みかみぬかに結はせり。ここに小碓をうすの命、そのみをば倭比賣やまとひめの命御衣みそ御裳みもを給はり、たち御懷ふところれていでましき。
こそ御えらみあるが然るべしと道理をつくして諫言かんげんに及びければ流石さすが強慾がうよくの五兵衞も初めて道理もつともと思ひ終に持參金のねんたちたる樣子なれば久八は此
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たちて與へざる事なども有しかば藤五郎は倩々つく/″\おもふやう實子佐五郎出生以來養父母には我が兄弟をとんずること甚しければ兄弟の中へはとても家督かとくゆづるまじ家名かめい相續さうぞくの出來ぬものなれば身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かれその横刀たちを受け取りたまふ時に、その熊野の山のあらぶる神おのづからみな切りたふさえき。ここにそのをえ伏せる御軍悉に寤め起ちき。
この時に熊野の高倉下たかくらじ、一横刀たちをもちて、天つ神の御子こやせるところに到りて獻る時に、天つ神の御子、すなはちめ起ちて、「長寢ながいしつるかも」と詔りたまひき。
この場合、先刻さつき延若が乗気になつて買つて出た主人たち役が、蛙のやうに踏み潰されてゐようが、一向気にかけてはならない。
書き卸しが出来て、仮に主人たち役を延若に振らうといふ事になると、南北は自慢の脚本を懐中ふところに先づ延若を訪ねる。
おもひでのれなるに此身このみあるゆゑじようさまのこひかなはずとせばなんとせん退しりぞくはらぬならねど義理ぎりゆゑくと御存ごぞんじにならば御情おなさけぶかき御心おこゝろとしてひともあれわれよくばとおほせらるゝものでなしらでも御弱およわきお生質たちなるに如何いかにつきつめた御覺悟おかくご
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
わきかへるなみだ人事ひとごとにして御不憫おいとしぢやうさま此程このほどよりのおわづらひのもとはとはゞなにゆゑならず柔和おとなしき御生質たちとてくちへとてはたまはぬほどなほさらにいとほしおこゝろ中々なか/\ふやうなものにはあらずこのふみ御覽ごらんぜばおわかりになるべけれど御前おまへさま無情つれなき返事へんじもしあそばされなばのまゝに居給ゐたまふまじき御决心ごけつしんぞと
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
私はそこへおまいりに行きたいのですけれども、そこへ行きますと例の関所がありますので、関所の役人などたちに逢うたり、あるいは山都の中にはどうせ猜疑さいぎ心の深い商人あきんども居るであろう。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
宮廷から賜る資人とねり傔仗たちも、大貴族の家の門地の高さを示すものとして、美々しく著飾らされて、皆任地へついて行った。そうして、奈良の家には、その年は亦とりわけ、寂しい若葉の夏が来た。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
この男は、自分が年齢の半分も子供に見られ度がる嗜好から、自ら『お雄坊』と名告っていると云う程の品質たちで、エミ子さんが結婚する前には、幾度か付け文をしたことのある男です。
四月馬鹿 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
なあ甲助、どうせ養子をするほども無い財産しんだいだから、かかあが勧める嚊の甥なんぞの気心も知れねえやつを入れるよりは、怜悧りこう天賦たちいあの源三におらがったものは不残みんなるつもりだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かれの居館たちが、下野の田沼に近い田原にあるところから田原ノ藤太ともいわれ、俵藤太とも書かれている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卯平うへいるから不器用ぶきよう容子ようすをしてて、おそろしく手先てさきわざ器用きよう性來たちであつた。それでかれ仕事しごとるとつてからは方々はう/″\やとはれてたわらんだ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もっとも父は疳癖かんぺきの強い割に陰性な男だったし、母は長唄ながうたをうたう時よりほかに、大きな声の出せない性分たちなので、僕は二人の言い争そう現場を、父の死ぬまでいまだかつて目撃した事がなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それも——井深君は殊の外内気な性向たちで、かつ多分それ故に謹直で、ついぞ遊びもしないし、酒も飲まないし、女の噂さえも滅多に口にすることのない人間なのだが
少女 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
彼は、頼もしいおとこと思うと、打ち込む性情たちであった。佐久間、柴田、前田、そして藤吉郎などという幕下は、皆、信長が真実、打ち込んでいるおとこたちだった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
葛の三ツ葉が、青く重なり合い、その下から川の瀬音が、葉をむくむくともたげるようにして、耳にかよって来る、対岸の山を仰ぐと、斜めにっ立った、禿げちょろの「たちぎ」の傍には唐松の林が
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)
切端きれっぱし反古ほごへ駄菓子をつまんで、これが目金だ、万世橋を覚えたまえ、求肥ぎゅうひ製だ、田舎の祭に飴屋が売ってるのとはたちが違う、江戸伝来の本場ものだ。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いや、たちものです。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
木刀たちをつかはせ、木刀をつかはせ。」
天狗洞食客記 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
私の友達は、すこし意固地なくらゐ我儘なところがあつて、身にそぐはない洋服や帽子の飾りをつけて歩くことの出來る氣質たちではなかつた。三年や五年着るものに不自由するとは思へない。
あるとき (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
すいほど迷う道多くて自分ながら思い分たず、うろ/\するうち日はたち愈〻いよいよとなり、義経袴よしつねばかま男山おとこやま八幡はちまんの守りくけ込んでおろかなとわらい片頬かたほしかられし昨日きのうの声はまだ耳に残るに、今
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
あくなき色慾にただれ、美食管絃の遊楽に疲れての大名病だいみょうびょうにもこのたちがあるが、重喜のはそのたぐいとはなはだ異なる心病だ。イヤ、神経衰弱といおう、そのほうが、かれの今の心持にピッタリと合う。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それでは明日あしたにもすぐにお発足たち遊ばして下さい、わたくしは御恩になったお方ゆえ大事と思うから手厚くお世話をするのでございます、それを恩に掛けるなれば
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
私はまた親睦会というから大方演じゅつ会のようなたちのもんかしらとおもったら、なアにやっぱりしんの好い寄席よせだネ。此度こんだ文さんも往ッて御覧な、木戸は五十銭だヨ
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
場所に依って違う不良の種類たち
東京人の堕落時代 (新字新仮名) / 夢野久作杉山萠円(著)
「この子、絵筋たちがええさかい、きばって描かそか……」
其方儀不正の無之これなく而已のみならずが家の衰頽すゐたい再興さいこうせんことを年來心掛たくはへたる金子ををしむ事なく叔母早へ分與わけあたへたるはじんなり義なり憑司ひやうじしやう次郎とまじはりをたちを退ひたるは智なり又梅を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大切に待遇もてなしけり夫より又半年程經過たち主用にて又々大坂へのぼり尼ヶ崎へも立寄たちよるべき事有りて金四百五十兩をあづかいそぎの旅なれば駕籠かごより乘掛のりかけが宜しと供人もわづか引連ひきつれてぞ登りける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)