“たち”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タチ
語句割合
30.4%
16.6%
性質14.4%
太刀13.7%
9.3%
4.5%
4.1%
1.6%
大刀0.4%
性格0.4%
(他:43)4.6%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「さようでございます、清元きよもとが大層気に入りまして——踊りもたちがいいとおっしゃってくださいますので——」
それは無理もないことですが、この御新造は人一倍に嫉妬ぶかいたちとみえまして、相手の芸妓が憎くてならなかったのです。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「内藤とは内藤、内藤伊織だ。はっはっは、妻恋坂殿様の御用人、あんまりたちのよくねえ赤鰯あかいわしさ。はっはっはは」
つづれ烏羽玉 (新字新仮名) / 林不忘(著)
くちばし引傾ひっかたげて、ことん/\と案じて見れば、われらは、これ、余りたち夥間なかまでないな。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
それでこういうのさ——フェリックスはとても感じやすい性質たちだから、ったりたたいたりしてもなんにもならない。
にんじん (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
その癖、ちょいとした事には、器用な性質たちで、流行唄はやりうたと云うようなものは、一度聞くと、すぐに節を覚えてしまう。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「巳之さん、そういっちゃ何だが、とてもランプで太刀たちうちはできないよ。ちょっと外へくびを出して町通りを見てごらんよ」
おじいさんのランプ (新字新仮名) / 新美南吉(著)
しかし気高けだかいこの二人はそもそもどういう身分の者であろう? 男は草色の衣裳を着、細身の太刀たちいている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
左樣そうだらうおまへ鼻緒はなをたちッこはい、いやれの下駄げたはいゆきねへ
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
最近某大学の卒業論文口頭試問の席へたち会つて、英文学専攻の卒業生がそれぞれ皆立派な研究を発表してゐるのに感服した。
趣味としての読書 (新字旧仮名) / 平田禿木(著)
中學時分につた寫眞器しやしんきも、そのすこし以前或る寫眞好しやしんずきの友たちおくつてしまつたので
それは、若者たちの投げ棄てた松明の火が、落積つた木の葉に燃え移つて、それが枝から枝に、段々と燃え広がつたのでありました。
馬鹿七 (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
おそらく清高の島後のたちでは、彼も鎌倉の特使にじきじき会っていただろう。それが急遽、別府へ帰されてきた理由の一ツは、
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
累代るいだい、住み馴れた水分みくまりたちも、ゆうべの一すいをさいごに、いよいよ、今朝は立ち退くことになった。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日本紀の一書には、やはり山の神・野の神・土の神などと並んで、かみたち句句廼馳くくのちと号すともある。
それは一日の事務の準備したくをする為でもあつたが、又一つには職員たちの不平と煙草の臭気にほひとを避ける為で。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その持つてつた大刀たちの名はオホバカリといい、またカンドの劒ともいいます。
その余の者は思い思いの半裸のすがた、抜身ぬきみ大刀たちを肩にした数人の者を先登に、あとは一抱えもあろうかと思われるばかりのひのきの丸太を四五人してかついで参る者もあり
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
「おれは、女になど、惚れたことはないな。……そういう性格たちらしい。もっと、大きな野望を抱いているから」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
成程智恵子は遊戯あそびなどに心を打込む様な性格たちでないと思つたので、お利代は感心した様に、
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
支倉が居間の方へ引下ると、石子刑事は直ぐにたち上って、廊下に出て柱の蔭に隠れるようにしながら、じっと居間の様子を覗った。
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
起上たちあがッて部屋へ帰ろうとは思いながら、ついたちそそくれて潮合しおあいを失い、まじりまじり思慮の無い顔をして面白おもしろくもない談話はなしを聞いているうちに
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
四角に見えたる食卓ながら横に板をして支えの腕木をめければたちまち長方形の大なる食卓と変じぬ。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
賊軍少々抵抗したれど、たちまちにして退散す。気候暖かし。はれ
父の墓 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
年月としつきたち一旦いったん富みし弟の阿利吒ありたは、兄に対して薄情なりし報いのためにや損毛のみ打つづきてまた貧者となり
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
懊悩おうのううちに神田の法律学校に通って三月もたちましたろうか。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
「オヤ! 細川先生、老先生は今東京へお出発たちになりました!」と呼吸いきをはずまして老僕は細川の前へ突立った。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
如何どうして又、こんな処で会ったろう。彼女あれ必定きっと僕と気がいたに違いない。お正さん僕は明日朝出発たちますよ。」
恋を恋する人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
坦々たる平原のあいだにたちの低いまち々が、まるで点か記号のように突起しているだけで、何ひとつ人の眼を惹き、心を魅惑するものがない。
屋形はたちが低く、家の外観は普通の哥薩克の住居と同じで、居間はただ一つきりであつたが、主人あるじ夫妻に、老婢と、選り抜きの郎党十人ばかりの者が身をおくだけの余地はあつた。
「それがが身の悪い気質たちじゃ。たんと駄々をいうて、この年老としとった母を困らせるがよいわ」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
病弱であった私は、何かしら、精一ぱいのことをしていなければ、生きている気のしない気質たちだったので、からだの弱い彼女に、生きているかぎり、力一ぱいのものを残させたい気がして、ある日、差向いでいるときに言った。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
小野田は時々外廻りに歩いて、あとは大抵店でたちをやっていたが、すきがありさえすれば蓄音器をいじっていた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「医者に勧められて湯治に来たといえば、それで済むんだよ。事によったら、上さんあの店を出て、この人にたちをやってもらって、独立ひとりだちでやるかも知れないよ」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
書き卸しが出来て、仮に主人たち役を延若に振らうといふ事になると、南北は自慢の脚本を懐中ふところに先づ延若を訪ねる。
——この場合、先刻さつき延若が乗気になつて買つて出た主人たち役が、蛙のやうに踏み潰されてゐようが、一向気にかけてはならない。
宮廷から賜る資人とねり傔仗たちも、大貴族の家の門地の高さを示すものとして、美々しく著飾らされて、皆任地へついて行った。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
やつこ降らずとも、もはらその國をことむけし横刀あれば、このたちを降さむ。
ここに八十建に宛てて、八十膳夫かしはでけて、人ごとにたち佩けてその膳夫かしはでどもに、誨へたまはく、「歌を聞かば、一時もろともに斬れ」とのりたまひき。
ここに小碓をうすの命、そのみをば倭比賣やまとひめの命御衣みそ御裳みもを給はり、たち御懷ふところれていでましき。
患へ泣きて罷りたまふ時に、倭比賣の命、草薙くさなぎたちを賜ひ、また御嚢みふくろを賜ひて
この男は、自分が年齢の半分も子供に見られ度がる嗜好から、自ら『お雄坊』と名告っていると云う程の品質たちで、エミ子さんが結婚する前には、幾度か付け文をしたことのある男です。
四月馬鹿 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
なあ甲助、どうせ養子をするほども無い財産しんだいだから、かかあが勧める嚊の甥なんぞの気心も知れねえやつを入れるよりは、怜悧りこう天賦たちいあの源三におらがったものは不残みんなるつもりだ。
雁坂越 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
かれの居館たちが、下野の田沼に近い田原にあるところから田原ノ藤太ともいわれ、俵藤太とも書かれている。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
卯平うへいるから不器用ぶきよう容子ようすをしてて、おそろしく手先てさきわざ器用きよう性來たちであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もっとも父は疳癖かんぺきの強い割に陰性な男だったし、母は長唄ながうたをうたう時よりほかに、大きな声の出せない性分たちなので、僕は二人の言い争そう現場を、父の死ぬまでいまだかつて目撃した事がなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
それも——井深君は殊の外内気な性向たちで、かつ多分それ故に謹直で、ついぞ遊びもしないし、酒も飲まないし、女の噂さえも滅多に口にすることのない人間なのだが、どう云う事のはずみか井深君が屡々遊びに行く友だちの妹で、やっと十八位にしかならない少女に生まれてない恋慕の情を覚えそめていたのである。
少女 (新字新仮名) / 渡辺温(著)
彼は、頼もしいおとこと思うと、打ち込む性情たちであった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、「今に見たまえ、明日にも大船で一艘台湾へ乗出すよ。」で、すぐにその晩、近所の寄席の色ものへ連出して、中入の茶を飲んで、切端きれっぱし反古ほごへ駄菓子をつまんで、これが目金だ、万世橋を覚えたまえ、求肥ぎゅうひ製だ、田舎の祭に飴屋が売ってるのとはたちが違う、江戸伝来の本場ものだ。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「いや、たちものです。」
白花の朝顔 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)