たち)” の例文
旧字:
ひたすらにあしき世を善に導かんと修行に心をゆだね、ある山深きところに到りて精勤苦行しゐたりけるが、年月としつきたち一旦いったん富みし弟の阿利吒ありた
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
これにて愚僧が犯せる罪科の跡は自然立消たちぎえになり候事とて、ほつと一息付き候ものゝ、実はまんまとわが身の悪事を他人に塗付ぬりつけ候次第に候間、日数ひかずたち候につれていよいよ寝覚ねざめあしく
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
懊悩おうのううちに神田の法律学校に通って三月もたちましたろうか。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)