“委”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くわ32.6%
まか30.0%
ゆだ24.3%
くは4.9%
い1.9%
くはし1.2%
ま1.2%
ゐ1.0%
つぶ0.3%
イ0.3%
お0.2%
おと0.2%
く0.2%
くはしく0.2%
くわし0.2%
す0.2%
たる0.2%
つばら0.2%
ゆだぬ0.2%
ゆだね0.2%
わた0.2%
ツバ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
脚本に道具が委(くわ)しく指定してあればそれによって画けるわけだけれども、ただ農家の内部位な事じゃ、どうやっていいかわからない。
久保田米斎君の思い出 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
隣室の沈黙につれ、紀久子はその身体(からだ)を婆(ばあ)やの手に委(まか)すようにした。婆やは紀久子の肩に手をかけて、ベッドの上へ静かに寝かした。
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
実はわたしがおっ母さんの世話をするのも、因襲の外(ほか)の関係なので、わたしは生涯をその関係に委(ゆだ)ねたというものかも知れませんよ。
そしてその免かれた方法も、もうこれで委(くは)しく説明致したのでございますから、わたくしはこのお話を早く切り上げようと存じます。
うづしほ (新字旧仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
土地(ところ)の支配者の権限に委(い)せられているし、かつは鎌倉の示唆にも「その策と手段は島の実状にてらして、臨機応変におこなえ」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嗚呼、委(くはし)くこゝに寫さんも要なけれど、余が彼を愛づる心の俄に強くなりて、遂に離れ難き中となりしは此折なりき。
舞姫 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
西洋画の場合では、さように観者の想像に委(ま)かせる事はあまりしない。画家が眼に映じた地球の奥行きをそのままに表現せんとする。
油絵新技法 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
今や往年の拿翁(ナポレオン)なしと雖(いへども)、武器の進歩日々に新(あらた)にして、他の拿翁指呼の中(うち)に作り得べし、以て全欧を猛炎に委(ゐ)する事、易々(いゝ)たり。
「平和」発行之辞 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
官営芸術の虚妄なるに対抗し、真正(しんせい)自由なる芸術の勝利を立証したるものならずや。宮武外骨(みやたけがいこつ)氏の『筆禍史(ひっかし)』は委(つぶ)さにその事跡を考証叙述して余すなし。余また茲(ここ)に多くいふの要あるを見ず。
浮世絵の鑑賞 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
是(コレ)ヲ、諸民ノ指弾(シダン)ニ委(イ)ス
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只看(み)る、宮は行き行きて生茂(おひしげ)る柳の暗きに分入りたる、入水(じゆすい)の覚悟に極(きはま)れりと、貫一は必死の声を搾(しぼ)りて連(しきり)に呼べば、咳入(せきい)り咳入り数口(すうこう)の咯血(かつけつ)、斑爛(はんらん)として地に委(お)ちたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その歩々(ほほ)に委(おと)せし血は苧環(をだまき)の糸を曳きたるやうに長く連(つらな)りて、畳より縁に、縁より庭に、庭より外に何処(いづこ)まで、彼は重傷(いたで)を負ひて行くならん。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と一々委(く)わしく説明しける内に十分間余を過ぎて中より香ばしき匂いの漏れける。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
「今年(こんねん)は水辺(すゐへん)へ出可申心がけ候処、昨日より荊妻手足痛(てあしいたみ)(病気でなければよいと申候)小児菅(くわん)三狂出候而(くるひいでそろて)どこへもゆかれぬ様子也、うき世は困りたる物也、前書委(くはしく)候へば略し候、以上。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
ちょっと、教員室で立話しをしたんだから、委(くわし)いことは追てとして、その日は帰った。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此処が槍の直下だろうとて、荷物を委(す)てて行こうとすると、もう一つ小峰があるとの事、で早々纏(まと)めてまた動き出す。
穂高岳槍ヶ岳縦走記 (新字新仮名) / 鵜殿正雄(著)
ト昨日(きのう)文三にいじめられた事を、おまけにおまけを附着(つけ)てベチャクチャと饒舌(しゃべ)り出しては止度(とめど)なく、滔々蕩々(とうとうとうとう)として勢い百川(ひゃくせん)の一時に決した如くで、言損じがなければ委(たる)みもなく
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「味酒(うまざけ)三輪の山、青丹(あをに)よし奈良の山の、山のまにい隠るまで、道の隈(くま)い積(つも)るまでに、委(つばら)にも見つつ行かむを、しばしばも見放(みさ)けむ山を、心なく雲の、隠(かく)さふべしや」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
学者が学問に身を委(ゆだぬ)るに異ならず。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
先ず跪(ひざまず)かせて、身をお委(ゆだね)申す心持を述べるのを
ユスチニアーヌス帝のディゲスタ法典に拠れば、もし近辺に河海なきときは、猛獣に委(わた)してその身体を裂かしむとある。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
山の背に委(ツバ)らにつゞく 吉野の町。水分宮(ミクマリグウ)をくだりつゝ 見ゆ
鵠が音:01 鵠が音 (新字旧仮名) / 折口春洋(著)