“委托”の読み方と例文
読み方割合
いたく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
別後の情を細叙するにもいとまあらず、引かれて大臣にえっし、委托いたくせられしは独逸語ドイツごにてしるせる文書もんじょの急を要するを翻訳せよとの事なり。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
縁はなもので、ゴルドン伝を書いた翌々年「寄生木やどりぎ」の主人公から突然「寄生木」著作の事を委托いたくされた。恩人たる乃木将軍の為めにと云う彼のであった。余は例に無く乗地のりじになって引受けた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
私はこの世の智慧にのみ工藝を托すまい。それは自然の前には小さな智慧に過ぎないからである。私がなぜ工藝の未来を天才にのみ委托いたくしないか、私がなぜ聡明な知識にのみ工藝を依存せしめないか。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)