“水辺”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すいへん35.3%
みずべ29.4%
すいえん5.9%
すゐへん5.9%
みずぎわ5.9%
みずのほとり5.9%
みなべ5.9%
ハマ5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
松と草藪くさやぶ水辺すいへんの地面と外光と、筵目むしろめも光っている。そうして薄あかい合歓ねむの木の花、花、花、そこが北島、むこはるかが草井の渡し。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
時には静かな三味線しゃみせんの音でも聞くだけのことを心やりとして酒のある水辺みずべの座敷へ呼んで見る若草のような人達や
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ると、水辺すいえんの、とある巨大おおきいわうえには六十前後ぜんごゆる、一人ひとり老人ろうじんが、たたずんで私達わたくしたちるのをってりました。
今年こんねん水辺すゐへんへ出可申心がけ候処、昨日より荊妻手足痛てあしいたみ(病気でなければよいと申候)小児くわん狂出候而くるひいでそろてどこへもゆかれぬ様子也、うき世は困りたる物也、前書くはしく候へば略し候、以上。」
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
娘はその浜の水辺みずぎわに立って、自分の影を見詰めておりましたが、影は長く砂に落ちているのでござります。(間)娘は老いた領主の一人子でありましたから、不足なく育てあげられておりました。
レモンの花の咲く丘へ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
千束町の喜熨斗きのし氏の舞台へ、私と、浜子と鼓村さんと翠扇さんとが集った時、猿之助役の大臣おとどの夢の賤夫しずのおと、翠扇役の夢に王妃となる奴婢みずしめとが、水辺みずのほとりに出逢うところの打合せをした。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
水はまんまんとして、そのダムにかれてたたえ、橋梁の連灯れんとうはまだ白く玻璃球はりきゅうのみ光って、丘陵の上、また水辺みなべに反照する鮮明なる洋風建築、このダムこそ東洋一の壮観だとせられる。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
当人が死んで、桂屋の陸側ヲカも、富田屋の水辺ハマも、もう復興せられさうな時の転変を経てゐるのに、私はまだ故人の立役・非立役所属を論じてゐる。