“堰”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
せき50.5%
45.5%
ゐぜき1.4%
1.4%
いせき0.9%
ゐで0.5%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おしげは、おきよに焚きつけられて、うかとすれば、そんな気にならないでもなかつたが、この姉娘に対するより深い反感がやつとせきになつてゐた。
一の酉 (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
あたしは顔も洗わずに、湿った土の上へ一足、片折戸を開けて飛出すと、向うの大百姓の家のお嫁さんが生姜しょうがせきでせっせと洗っていた。
「ここから上流の方は水勢がよほどゆるいんです。河底の勾配こうばいにも因りましょうが、もう一つには天然のせきが出来ているからです。」
麻畑の一夜 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
異性をつなぎ合わせるようで、その実両方の仲をく、慇懃いんぎん男女間なんにょかんの礼義は彼らのどちらにも見出す事ができなかった。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そして、早熟ませた葉子への執着が、き切れなくなった時に彼が見つけたのは、あの煎餅のかけらが産んだ、恐ろしい恍惚境エクスタシーだった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
そして、助任川すけとうがわからくる水をめてある空濠からぼりの底へ、何千貫の大石がるいるいとして無数に転落しているのであった。
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
霜ふかき野川のゐぜき、あはれよと今朝けさ見に来れば、いつとなく水量みかされつつ、隙間なく氷張りけり。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
霜ふかき野川のゐぜき、あはれよと今朝けさ見に来れば、いつとなく水量みかされつつ、隙間なく氷張りけり。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
夏すでに月のゐぜき遠近をちこちに蛙啼きつつ水幅みはば明るむ
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
佐保川の水をき入れた庭の池には、り水伝ひに、川千鳥のく日すら、続くやうになつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
佐保川の水をき入れた庭の池には、り水傳ひに、川千鳥の啼く日すら、續くやうになつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
佐保川の水をき入れた庭の池には、り水傳ひに、川千鳥の啼く日すら、續くやうになつた。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
山の根からいて流るる、ちょろちょろ水が、ちょうどここでいせきを落ちて、たたえた底に、上の鐘楼の影が映るので、釣鐘の清水と言うのである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四辺あたりに似ない大構えの空屋に、——二間ばかりの船板塀ふないたべいが水のぬるんだいせきに見えて、その前に、お玉杓子たまじゃくし推競おしくらで群るさまに、大勢小児こどもたかっていた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
伊香保いかほろのやさかのゐでぬじあらはろまでもさをさてば 〔巻十四・三四一四〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
「やさかのゐで」は八坂という処にあった河水をたたえ止めた堰(いぜき・せき・つつみ)であろう。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)