いせき)” の例文
山の根からいて流るる、ちょろちょろ水が、ちょうどここでいせきを落ちて、たたえた底に、上の鐘楼の影が映るので、釣鐘の清水と言うのである。
夫人利生記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
四辺あたりに似ない大構えの空屋に、——二間ばかりの船板塀ふないたべいが水のぬるんだいせきに見えて、その前に、お玉杓子たまじゃくし推競おしくらで群るさまに、大勢小児こどもたかっていた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)