“湛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たた84.1%
たゝ11.2%
ただよ1.0%
たま1.0%
ただ0.5%
しずか0.2%
しづか0.2%
0.2%
たたえ0.2%
たん0.2%
たゞ0.2%
たヽ0.2%
タヽ0.2%
タヽヘ0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼が死に到るまで、その父母に対してはもとより、その兄妹に対して、きくすべき友愛の深情をたたえたるは、ひとりその天稟てんぴんのみにあらず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
心こそ凡てのものを涵する止水しすゐなれ。迷ふもこゝにあり、悟るも茲にあり、殺するも仁するも茲にあり、愛も非愛も茲にこそたゝふるなれ。
各人心宮内の秘宮 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
そうわれるおじいさんのおかおには、多年たねんがけたおしかたのついたのをこころからよろこぶとった、慈愛じあい安心あんしんいろただよってりました。
するとその中の幾匹かが、これはたまらないと言ったふうに、大急ぎで逃げ出した。けれどもだその大多数は執拗しつように喰い付いていた。
首を失った蜻蛉 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
富山はますますゑみただへたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
金井しずか君は哲学が職業である。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
中では金井しづか君が少し神経質な処だけ違つてゐるのであつて、主人と杉村博士とは大やうな、ゆつたりした処がほとんど同じなのである。主人。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
……水が落ちて来る! 水がまる! 天井は高い! 窓も高い! 扉が開かない! 逃げることは出来ない! だがこうしてはいられない! まごまごしていると溺死する! どんなことを
神秘昆虫館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
一所劃然かくぜんと林が途切れそこにたたえられた池の水が蒼空が落ちて融けたかのように物凄いまでに碧いのも
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
然れども警察の取締皆無のため往来の人随所に垂流すが故に往来の少し引込みたる所などには必ず黄なるもの累々としてうずたかく、黄なる水たんとしてくぼみにたまりをりて臭気紛々として人にせま
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
湯煙を顔にうけつゝ真青まさをなるつぼのたゞへにかゞまりゐるも
小熊秀雄全集-01:短歌集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
旱の為に水のつた摺鉢形すりばちなりの四はうがけの土は石灰色いしばいいろをして、静かにたヽへた水の色はどんよりと重く緑青の様に毒々しい。
蓬生 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
唯、「タヽへ木」の行事を行ふだけです。一つ松の行事は、翁の一節を存するもので、其に続く、踏歌式を含んだことほぎが、消えて了うたのです。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
馬糧にも使ふが、用途は外にもあつた。諏訪社には祭礼に廻る木並びに其他の地物があつた。此を「タヽヘ」と称へてゐる。此解釈も区々だが、大体において、神長官の順廻する所なのは、確かだ。