ただよ)” の例文
そうわれるおじいさんのおかおには、多年たねんがけたおしかたのついたのをこころからよろこぶとった、慈愛じあい安心あんしんいろただよってりました。
喜びて共に河辺かへんに至る。洋々たる水はさながら一大湖水をただよわし、前岸有れども無きが如くにして、遠く碧天に接し、上り下りの帆影、真艫まともに光をりて、眩きまでに白し。
大利根の大物釣 (新字新仮名) / 石井研堂(著)
僕自身の汗じみた苦悶くもんのかげがそッくりただよっているようだ。
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
セエラは、また妙に悲しげな微笑を口許にただよわせました。