“たま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:タマ
語句割合
20.9%
9.7%
9.3%
8.3%
7.2%
弾丸7.1%
4.9%
4.5%
3.7%
3.3%
(他:404)21.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
花が枯れて水が腐ってしまっている花瓶かびんが不愉快でたまらなくなっていても始末するのが億劫で手の出ないときがある。
泥濘 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
馬のような屍体、犬猫のような屍体、そして人間のような屍体、屍体はみな腐爛ふらんしてうじが湧き、たまらなく臭い。
桜の樹の下には (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)
だが、ぼくの心の隅に、何だかおりのようなものがたまっていることについて、ぼくはいささか気にしないわけにいかなかった。
もくねじ (新字新仮名) / 海野十三(著)
遠くのほうで呼ぶ声がする。山のようにたまっているかんなくずや、材木の間を、何度も、自分を探しまわる人影が通った。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西洋の絵の面影おもかげかすみを透してたまを眺めるような心持で堪能たんのうして見ないということはありません。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
押されるたび、光春の首は、骨のないように、仰向あおむいたまま、左右にうごいた。その面上から飛びちるたまは涙だった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さもあればあれ、と一休め息を休めて、いかで三世如来の御姿を学ぶ御首みぐしの上に、勿体無くも俗の冠をたまうや
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
みなさんもよくつてをられるでせうが、このたまかたちあたままるくて尻尾しりをまが
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「さあ、大切な標本だから、こわさないようにしてたまえ。よく包んで呉れ給え。こけなんかむしってしまおう。」
気のいい火山弾 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
また気勢けはいがして、仏壇の扉細目ほそめ仄見ほのみたま端厳たんごん微妙みみょう御顔おんかんばせ
蠅を憎む記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「はてな、今の弾丸たまは確かにあたつたはずだが……」と独語ひとりごとを言ひながら与兵衛は樫の大木に近づきました。
山さち川さち (新字旧仮名) / 沖野岩三郎(著)
二人はピストルを持って来て撃ち合いをはじめましたが、どこを打っても弾丸たまが途中でつかってどっちにも当りません。
おとらは青柳と大師まいりなどするおりには、初めはお島だけしか連れていかなかったものだが、たまにはお花をも誘い出した。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「いいえ、たまにで御座いますよ。日に一度ずつお供が出来ますと好いのですが、月の内には数える程しか御座いませんよ」
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
円い窓から外を見ると、黒い波のかさなった向うに、月だか太陽だか判然しない、妙に赤光あかびかりのするたまがあった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
(あ、来たぞ)柿色の紙風船は、遂に私たちの方に廻って来た。五十嵐は無造作に二つに折って、バサリとたまの上に被せた。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
パタリと小石を手から落した。と、何だか急に悲しくなって来てたまらなくなって、往来の真中で私は到頭シクシク泣出した。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
かつてまた、白墨狂士多磨太君の説もあるのだから、肉が動くばかりしばしもたまらず、洋杖ステッキを握占めて、島野は、
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「倒れたるはランスロットか」と妹はたまゆるほどの声に、椅子のはじを握る。椅子の足は折れたるにあらず。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
あの世に到らんには、アヌンチヤタも我もきよたまにて、淨き魂は必ず相愛し相憐み、手に手を取りて神のみまへに飛び行かむ。
しかもあまりに急いで、たまの届くところまで近寄らないうちに火蓋ひぶたを切ったので、鳥はそのまま飛び去ってしまった。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
イバンスは銃をとってごうぜん一発うったが、たまはむなしく音を立てて闇中あんちゅうをとび、手ごたえはさらになかった。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
と兄は嫂を取做とりなすように言って、「たまには節子にもそれくらいの元気を出させるがい」という意味を通わせた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
たまに大手の湯などでの番人に逢つて、先方さきから田舎風に挨拶された時は、私は名のつけやうの無い恐怖を覚えた。
突貫 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
久野は丹後の国において幽斎公に召し出され、田辺御籠城ごろうじょうの時功ありて、新知しんち百五十石たまわり候者に候。
興津弥五右衛門の遺書 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一日、聖上せいじやう親臨しんりんして負傷者をし、恩言おんげんたまふ、此より兵士負傷者とならんことを願ふ。
「いえいけません。きっとあれで面白半分にお隣りのとりを打つに違ないから。構わないからたまだけ取り上げて来て下さい」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そが間には軍服に假髭つけひげしたる羅馬美人ありて、街上なる知人しるひとに「コンフエツチイ」のたまなげうてり。
当麻路に墓を造りました当時そのかみ、石をはこぶ若い衆にのり移ったたまが、あの長歌をうとうた、と申すのが伝え。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
そこまで信仰においつめられたと言うよりもむしろ、自らたまのよるべをつきとめて、そこに立ち到ったのだと言う外はない。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
引き掛った男は夜光のたまを迷宮に尋ねて、紫に輝やく糸の十字万字に、魂をさかしまにして、のちの世までの心を乱す。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「大王には宝ではございますまいが、私に取っては連城れんじょうたまでも、これにはおっつかないと思っております。」
王成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
もし彈藥だんやく裝填そうてんしてなくあるひたん彈丸たまだけめて火藥かやくくはへなかつたなら
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
「そんな馬鹿なことを考へて居るわけぢやない。下手人は鐵砲を何處から撃つたか、それが知り度いんだ。どんな彈丸たまが、どう拔けたか」
願う事のかなわばこの黄金、この珠玉たまの飾りを脱いで窓より下に投げ付けて見ばやといえるさまである。
薤露行 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
特に眼瞼まぶたのあたりは滴るやうな美しさで、その中に輝いてゐる怜悧さうなやゝけんのある双の瞳は宛然さながら珠玉たまのやうだ。
姉妹 (旧字旧仮名) / 若山牧水(著)
米友は、今しばらく旅費に窮したから八幡宮に雇われましたけれど、いくらか給金がたまればそれを持って、お君を探しに行くつもりなのであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
役人を已めてから、実業界に這入はいって、何かかにかしているうちに、自然と金がたまって、この十四五年来は大分だいぶんの財産家になった。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わたしの知る限りでも、東京で雷雨の多いのは北多摩たま郡の武蔵野町から杉並区の荻窪おぎくぼ阿佐ヶ谷あさがやのあたりであるらしい。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
試衛館が、江戸にありながら、実質上は武州ぶしゅう多摩たま郡一帯の、身分からいって「農」を代表する、農村支配層の上に築かれていた点である。
新撰組 (新字新仮名) / 服部之総(著)
課長はそういって、卓子テーブルの陰からいだした。彼は銃丸たまの中をくぐりぬけながら、力戦している警官隊の方へ進んでいった。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
轟然ごうぜんたる銃声が聞えたと思うよりも早く、ピューッと銃丸たまが二人の耳許みみもとかすめて、廊下の奥の硝子窓をガチャーンと破壊した。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
うちなるたま疾風あらし行方ゆくへいづこ、
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
にぎたま、またやはせ、ただにやすらと、
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
即ち運動及び多は(吾々の言葉で云えば)ただ弁証法的にしか把握出来ないことをたま々裏から告げているのである。
辞典 (新字新仮名) / 戸坂潤(著)
「華族さんのお客さんがあるやろ」と訊くと、「ほら、うちかて芸者だす。たまには華族はんも呼んで呉れはります」ちゅう返事で、一向らちが開きまへん。
黄鳥の嘆き (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
螢も急にすくなくなツて、偶時たまに飛んで來るそれも、何か光がうすくなツたやうに思はれる。
水郷 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「そりや偶時たまにはう思はんでも無いな。しかしお前は俺にはようのある人間だ。」
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
軒提灯は蝋燭が流れて、並び連ねた紅いたまは一斉に瞬をして居る、人々は最早や祭日の楽を今一時間の中に尽すべく猶ほ浮かれて居る。
夜の赤坂 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
吹きとほる山松風の向ひ風群禽むらどりたまや近づきぬ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
女の袖つけから膝へたまって、落葉がうずんだような茶殻をすくって、仰向あおむけた盆の上へ、俊吉がその手のしずくを切った時。
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おかっぱの頭を撫でてやると、子供は涙の一杯たまった目で川手氏を見上げ、廊下の奥の闇の中を指さした。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
史料袋や耳袋に入れた素材は、かくてだいぶたまったが、本文のほうはなかなか意のごとくにすすまない。(二七・一二・七)
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
多「でかたまりやしたなア、そうは蓄るめえと思いやしたが、えれえもんでがんす」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
遙か眼の下、谷底のような舞台には、黄色ッぽい五燭の電球たまが、タッタ一つ微かな輪を描いているきりであった。
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
おくみは二階の十六燭の電球たまをはづして来て、座敷の暗い十燭と取りかえてお上げした。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
叔父は笑いながら、いっさんまるで火事場のようだろう、しかしたまにはこんな騒ぎをして飯を食うのも面白いものだよと云って、間接の言訳をした。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たま一言二言ひとことふたことそれとなく問を掛けて見ても、三千代は寧ろ応じなかつた。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
パッとしたお召の単衣ひとえ黒繻子くろじゅすの丸帯、左右の指に宝石たま入りの金環あたえ高かるべきをさしたり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
指輪にしてはあまりにきらめかしいと見ると、名も知らないような宝石たまが両の手のどの指にもきらめいているのだ、袖口がゆれると腕輪の宝石いしが目を射る、胸もとからは動くとちらちらと金の鎖がゆれて見える。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
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