“耳許”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
みみもと90.5%
みゝもと9.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の耳許みみもとからバンと烈しい銃声が起り、更にバン・バン・バンと矢継早に三つの銃声がそれに続いた。鋭い烟硝えんしょうの匂が急に鼻をいた。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「あんないけすかない人っちゃないわ」そういったゾッとする様な言葉が、容貌に自信のない彼の耳許みみもとで絶えず聞えていました。
算盤が恋を語る話 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「え、え、」と、ちひさなしはぶきを、彼方かなた二階にかいでしたのが、何故なぜ耳許みゝもとほがらかにたかひゞいた。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
道々みち/\も一ぷん絶間たえまもなくしやべつゞけて、カフカズ、ポーランドを旅行りよかうしたことなどをはなす。さうして大聲おほごゑ剥出むきだし、夢中むちゆうになつてドクトルのかほへはふツ/\といき吐掛ふつかける、耳許みゝもと高笑たかわらひする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)