“耳盥”の読み方と例文
読み方割合
みみだらい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
……続くと、一燭いっしょくの電燈、——これも行燈にしたかったと言う——朦朧もうろうとして、茄子の牛がうずくまったような耳盥みみだらいが黒く一つ、真中に。
露萩 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その下で八十の彼女は、日ごとに、六ツ折りのすそに絵をかいた障子屏風しょうじびょうぶめぐらし黒ぬりの耳盥みみだらいを前におき、残っている歯をお歯黒で染めた。
円座に着きながら、ふと見ると、無地の銀屏風びょうぶが一ぐうにめぐらしてあり、そこに鏡立と、耳盥みみだらい剃刀かみそりなどがそなえてあった。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)