“みみだらい”の漢字の書き方と例文
語句割合
耳盥100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その耳盥みみだらいから少し視線を上げれば、そこにはお小夜の異様な脚部——宗右衛門はぞつとして、逆に老女の顔を見上げた。
老主の一時期 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
寄席よせへ行った翌朝よくあさだった。おれん房楊枝ふさようじくわえながら、顔を洗いに縁側えんがわへ行った。縁側にはもういつもの通り、銅の耳盥みみだらいに湯を汲んだのが、鉢前はちまえの前に置いてあった。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
櫛箱くしばこ耳盥みみだらい、そんなようなものが眼に触れると、北原はなんだか、ここで今まで、おとわ稲川もどきの世話場が、演ぜられていたような気配も想像されないではありません。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)