銃弾たま)” の例文
運さえ悪くなければ、そのとき誰かがうかがいよって、その敵の胴腹どうばら銃弾たまをうちこんでくれるかも知れないのであるから……。
人造人間殺害事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つぶやいた。銃弾たまに当った時計の針が一時半で止まっていたらしい。刑事がそうして死体を調べている間に、警部はボーイを招いて訊問を初めていた。
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
武蔵自身は、気づいていないらしいが、体のどこかに、二つ三つ、銃弾たまが入っているに違いなかった。
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
銃弾たまきわどいところで、心臓を外れているが、肺はめちゃめちゃだ。ものをいえば、血とあぶくがぶくぶく吹きでる。普通ならすでに、この世の者ではないさ。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)